ジュリー 不思議な力をもつ少女

コーラテイラー(著者), さくまゆみこ(訳者)

• 販売会社／発売会社: 小学館/
• 発売年月日: 2003/10/01
• JAN: 9784092903340

商品レビュー

2012/10/28

ある夏の日、畑の上を進む船団を見た。
幼い時から、なぜか、見えるはずのないものが見えたジュリー。離れた場所のことだったり、未来のことだったり。
そのことに困惑し不安になりながらも、成長していく物語。どうすればいいのかわからない、こわい、でも誰にも言えなくて、って心情が描かれていて、とてもジュリーが愛おしく感じる。

2012/01/06

ファンタジーかな、と思ったら、
たしかに不思議なことは出てくるのですが、
妙にリアルでした。

主人公の少女ジュリーは
人の見えないモノが見え、人の感じないモノを感じることが出来ます。
乱暴に言えば超能力や霊感といった類のモノです。
海外ドラマ『HEROES』では「特技」とされたそういう力も、
この本では少女に（周囲にわかってもらえない）孤独と
（見えないモノが見えてもどうにも出来ないという）無力さを感じさせる
弱点のような力となっています。

こんな力はいらない。でも、逃れられない。
こんな力を持つ自分がどうやって人と共に生きていけるのか。
どうやれば人の役に立てるのか。
少女は悩みながら大きくなっていきます。（４歳から１０歳まで）

扱っている題材ゆえ、いくらでもドラマチックに出来そうですが、
拍子抜けするほど事件はおきず
（いや、起きるには起きるんですがさほどドラマチックに描写されず）、
そのぶん丹念な成長物語となっていました。
なるほど。児童小説です。

ジュリーのその後が知りたい。
思春期になったジュリーはどういう子になっているのか？
結婚はどうするのか？
子どもは作るのか？
母としてのジュリーは？
児童の興味からは外れていくかも知れませんが、
個人的には『赤毛のアン』のようにシリーズになってほしいです。

2007/02/27

みんなには見えないものが見えてしまうジュリーが、少しかわいそうになった。小さい頃はこんな力に憧れていたけれど、やっぱり普通が一番幸せなのかもしれない。