全地球凍結 集英社新書

川上紳一(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社/
• 発売年月日: 2003/09/22
• JAN: 9784087202090

商品レビュー

2018/10/23

40億年を超える地球の歴史の中で、地球全体が凍結したことが数度あった、というのが「全地球凍結」仮説。この仮説、本書を読むまでは、ほぼ定説化しているものとばかり思っていたが、そうではないらしい。この仮説自体に矛盾点（とまではいかないかも知れないが、少なくとも問題点）あり、ライバル仮説あり、と定説となるためにはまだまだ難所を越えなければならないそうだ。

2017/01/04

２００３年刊。赤道域を含む全地球が凍結したとの仮説に関して、その根拠、反論、凍結までのメカニズムを解説。当該仮説に対する反論として、①地軸傾斜角の増大、②メタンハイドレード融解仮説、③海洋深層水湧出仮説等を示し、これらへの再反論等も提示。新書としては、非常に広範な目配せが利いており有益な一書である。なお、全地球凍結仮説の前提として①炭素循環の変動、火山活動低下に伴う大気中の二酸化炭素濃度の減、②超大陸の存在等を提示。が、確実なところは未確定らしい。なお、生物絶滅・大進化と全地球凍結化説との関連にも言及。

2010/05/09

［　内容　］
地球は四六億年前に誕生した。
だが、最初の四〇億年はまだ闇に包まれている。
近年、約七億年前の氷河堆積物にまつわる多くの謎が浮き彫りにされてきた。
その謎解きから急浮上したのが「当時、赤道付近まで雪と氷に覆われる大寒冷期が地球を襲った」という仮説だった。
そしてその極寒期の後には多細胞生物の爆発的繁栄期が訪れる―。
本書は、地球科学の最前線に立ち自らも地球史の痕跡を求めて世界各地を調査する著者が「全球凍結仮説」をリポートするものである。
この仮説の提示する地球観は、気候システムの研究を活性化させ、さらには生物と地球の離れ難い関係に及んでいく。

［　目次　］
第１章　「全球凍結仮説」の登場
第２章　キャップ・カーボネート
第３章　対立する仮説
第４章　反論からの検証
第５章　気候変動論からみた「全球凍結仮説」
第６章　生物科学と「全球凍結仮説」

［　ＰＯＰ　］

［　おすすめ度　］

☆☆☆☆☆☆☆　おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆　文章
☆☆☆☆☆☆☆　ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆　メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆　冒険性
☆☆☆☆☆☆☆　読後の個人的な満足度
共感度（空振り三振・一部・参った！）
読書の速度（時間がかかった・普通・一気に読んだ）

［　関連図書　］

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