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柔かい月 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
発売年月日 | 2003/09/20 |
JAN | 9784309462325 |
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柔かい月
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商品レビュー
3.6
16件のお客様レビュー
個人的にはカルヴィー…
個人的にはカルヴィーノの作品の中で一番好きな作品です。語り部Qfwfg氏が、あるときは地球の起源の目撃者、あるときは生物の進化過程の生殖細胞となって、宇宙史と生命史の奇想天外な物語を繰り広げるます。カルヴィーノの『レ・コスミコミケ』と一緒に読まれることをお薦めします。
文庫OFF
20世紀イタリアの小説家イタロ・カルヴィーノ(1923-1985)による短篇集で『レ・コスミコミケ』の続編、1967年。前作のようなナンセンスで知的な可笑しみのある物語といった趣ではなく、前作以上に科学的な概念や論理的な分析を駆使した実験的な作品。 文学とは、言語表現の限界を超...
20世紀イタリアの小説家イタロ・カルヴィーノ(1923-1985)による短篇集で『レ・コスミコミケ』の続編、1967年。前作のようなナンセンスで知的な可笑しみのある物語といった趣ではなく、前作以上に科学的な概念や論理的な分析を駆使した実験的な作品。 文学とは、言語表現の限界を超え出ようとすること。言語表現の限界を超え出ようとすることで、意識と世界の限界も更新されて、以てそこに別様の可能性を現出させること。それが何であるかもわからないまま。実際にどんな様態であるかだとか、どんな意味があるかだとか、どんな効用があるかだとか、そういったことを先回りして取り沙汰することなく。ただそれが現実と別様であるというだけで。 「文学の闘争は、まさにことばの境界の外に出るための努力だ。文学が身を乗り出すのは表現できるものの極限からであり、文学を動かすのは語彙に外にあるものの呼び声だ。」(p227文庫版解説、「サイバネティクスと幻影」と題された講演記録からの引用) 「ちがいはないんだ! 怪物も怪物でないものもずっとたがいに隣りあっていたのだ! いままで存在しなかったものはずっと絶えず……」(p40「鳥の起源」) □ 「ミトシス(間接核分裂)」 自己への意識、自己の外部への欲求、他者の発見、自己が世界の複数性の一部であるという自覚、恋の衝動などを、細胞分裂の過程に準えて語られる。ヘーゲル『精神現象学』における意識の展開過程の記述のよう。 「ある位置である瞬間に私が占有しており、そして他の瞬間に他の位置において、一連の他の瞬間と位置とにおいて、私が占有するであろう空なるものとして私に映っていた外部が存在していた、要するにそれは私がまだそこに存在はしていないが私の存在が潜在的に投影されたものであり、したがってその空なるものは世界であり未来なのであったが、私はまだそれを認識していなかったということである、〔略〕、しかし、私は私の外には私ならざるこの空なるものが存在し、それがもしかすると私になるかもしれないという満足感は抱いていた、〔略〕、とにかくそれは私になりうるかも知れぬ空なるものであるがその瞬間にはまだ私でなく、そして結局は決して私になることはないであろうものなのであった、それはまだなにかではないがとにかく私ではない何か他のもの、と言おうかその瞬間その位置における私ではないもの、したがって他のものの発見であった、そしてその発見は心楽しい、いや、心を引き裂くような興奮を、めまいのするような苦しみを、すべてが可能な、すべての他の位置、他の時、他の方法が可能な空に対する、私にとってすべてであったあのすべてを補充する空に対するめくるめきを、私にもたらしたのである、そしてこの沈黙し空なる他の位置、他の時、他のふうなるものに対する愛が私を満たしたのである。」(p88-89) 「ティ・ゼロ」「追跡」「夜の運転手」 時空間のある一点における状況を、論理的分析によって過剰に細分化していくことで、別スケールの世界を現出させる。ニコルソン・ベイカー『中二階』(1988年)の先駆けのよう。
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2008年10月16日~21日。 「見えない都市」よりもずっととっつきやすかった。 それでも途中、辛い箇所もあった。 「柔らかい月」と「追跡」はスバ抜けて面白かった。
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