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茶色の朝
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茶色の朝

藤本一勇(訳者), フランクパヴロフ, ヴィンセントギャロ, 高橋哲哉

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茶色の朝

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 大月書店
発売年月日 2003/12/08
JAN 9784272600472

茶色の朝

¥1,375

商品レビュー

4.2

112件のお客様レビュー

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2026/07/07

読書会で話題になり、次は課題本にしてもいいのではないかと言われていた一冊です。短い物語なのに、哲学的にも読めるし、挿絵が何を意味しているのか、ラストをどう受け止めるのかなど、人によってさまざまな解釈ができる作品だと感じました。 読んでいて一番印象に残ったのは、「同じ色なら安心」...

読書会で話題になり、次は課題本にしてもいいのではないかと言われていた一冊です。短い物語なのに、哲学的にも読めるし、挿絵が何を意味しているのか、ラストをどう受け止めるのかなど、人によってさまざまな解釈ができる作品だと感じました。 読んでいて一番印象に残ったのは、「同じ色なら安心」という人間の心理です。みんなと同じでいることは安心できる反面、自分で考えることを少しずつ手放してしまう怖さもあるのだと思いました。 物語では、大切だったものを失っても、時間がたつとその悲しみが薄れ、新しい価値観を受け入れてしまいます。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉のように、人は過去の痛みや違和感を忘れ、いつの間にか新しい「当たり前」に染まってしまう。その感覚は、現実の私たちにもあるのではないでしょうか。 私自身も「イエスマンにはなりたくない」と思いながら、波風を立てたくないからと「これでいいか」と流されてしまうことがあります。平和でいるために黙る。その積み重ねが、いつの間にか自分を染めてしまう。そして、いざ自分の番になったとき、「あのとき嫌だと言えばよかった」と後悔する。それでも声を上げられない自分がいる。その姿は決して物語の中だけの話ではないと感じました。 読みながら、子育てをしていた頃のことも思い出しました。子どもに何かあったとき、本当に心配していたのは子どもではなく、自分の立場や世間の目だったのではないか、と。そんな自分に気づいて少し苦しくなりました。でも、人は誰でも自分を守りたいと思うものです。その気持ち自体が悪いわけではないのかもしれません。ただ、自分を守るために誰かの声を奪ったり、違う色の人まで同じ色に染めようとしたりしてはいけない。そう思いました。 「みんなと同じなら安心」という気持ちは、きっとこれからも消えないでしょう。でも、この本を読んだことで、その安心の裏には危うさもあることを忘れないでいたいと思いました。 『茶色の朝』は、読むたびに違う問いを投げかけてくれる一冊です。私の心の中にも、「本当にそれでいいの?」と問い続けてくれる、小さな危険信号を灯してくれた作品でした。

Posted by ブクログ

2026/06/22

「茶色以外の猫を飼ってはいけない」と、白と黒の猫を殺さざるを得なかった主人公。 「茶色以外の犬を飼ってはいけない」と、黒の犬を殺さざるを得なかった主人公の友人。 ”なぜって、茶色がもっとも都市生活に適していて、子どもを産みすぎず、えさもはるかに少なくてすむことが、あらゆる選別テ...

「茶色以外の猫を飼ってはいけない」と、白と黒の猫を殺さざるを得なかった主人公。 「茶色以外の犬を飼ってはいけない」と、黒の犬を殺さざるを得なかった主人公の友人。 ”なぜって、茶色がもっとも都市生活に適していて、子どもを産みすぎず、えさもはるかに少なくてすむことが、あらゆる選別テストによって証明されたらしい。”から。 ”なに色だって猫にはかわりないのに“と思うけど、胸は痛んだけど、国がそう言うんだからそうなんだろうと受け入れる。 それに反対するような新聞やラジオや本は処分の対象になり、いつしか世の中は、茶色のものばかりで埋め尽くされる。 どんどんそういう法律が施行されていく。 「やりすぎでは?」と思わないこともなかったけれど、とりあえず茶色を支持していれば安心安全だ。 ある日、友人が逮捕される。 過去にさかのぼって、茶色ではない犬を飼っていた罪で。 ”いやだと言うべきだったんだ。 抵抗すべきだったんだ。 でも、どうやって? 政府の動きはすばやかったし、 俺には仕事があるし、 毎日やらなきゃならないこまごましたことも多い。 他の人たちだって、 ごたごたはごめんだから、 おとなしくしているんじゃないか?” そしてある茶色い朝。 彼の家の玄関ドアが叩かれる。 そんな話。 奥付を見たら、2003年出版の本。 冷戦が終わって、西欧諸国が一斉に右傾化し、人種差別主義による排外主義が台頭してきたことに危機感を抱いて書かれた本だそうだ。 今読んでも全然古くないどころか、いよいよ危ない気がする。 「茶色」というのはナチス党が制服として着用していた「茶シャツ」から、ヨーロッパなどではナチズム、ファシズム、全体主義などを連想させる色になっているのだそうです。 そういうことすら知らなかった日本の私。

Posted by ブクログ

2026/06/20

 コーヒーをゆっくり味わいながら、時の流れに身を委ねておけばよい、心地よいひととき。当局により「茶色い」猫や犬以外が排除された。お国や科学者たちがそう言った。新聞記事も茶色になった。疑問がないわけでもなかったが、競馬の方が気になった。排除され死んでしまった犬のことは忘れ去れていく...

 コーヒーをゆっくり味わいながら、時の流れに身を委ねておけばよい、心地よいひととき。当局により「茶色い」猫や犬以外が排除された。お国や科学者たちがそう言った。新聞記事も茶色になった。疑問がないわけでもなかったが、競馬の方が気になった。排除され死んでしまった犬のことは忘れ去れていく。以前、茶色以外の犬を飼っていたことで友人が自警団に連れ去られ、「茶色ラジオ」が国家反逆罪の烙印を押す放送をしている。毎日が忙しい。心地よいひとときは瞬く間に消失し、疑問に対する行動を取らなくて良かっただろうか。フランスのベストセラーで反ファシズムの寓話である「茶色の朝」。世の中の同調圧力が高まり、急激な右傾化と戦争へ突き進もうとする日本。いま我々は「茶色の朝」を読み、何をなすべきか、何を行動すべきか、対話を通じた取り組みを考えよう。

Posted by ブクログ

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