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愛する源氏物語
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愛する源氏物語

俵万智(著者)

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愛する源氏物語

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2003/07/11
JAN 9784163651002

愛する源氏物語

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商品レビュー

4.7

11件のお客様レビュー

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2024/11/02

源氏物語の和歌の部分って今まで正直そこまで重要視してなかった。 和歌があると現代語訳の解説が入るのもなんだか「説明しよう!」って他の人が急に入ってくる感じがして、物語の流れを邪魔される気もするし、なんとなくで読み飛ばしちゃったり... だけど、この本では俵万智さんが現代語版の和歌...

源氏物語の和歌の部分って今まで正直そこまで重要視してなかった。 和歌があると現代語訳の解説が入るのもなんだか「説明しよう!」って他の人が急に入ってくる感じがして、物語の流れを邪魔される気もするし、なんとなくで読み飛ばしちゃったり... だけど、この本では俵万智さんが現代語版の和歌として書いてくれているので和歌を和歌のまま味わえる。 和歌のニュアンスの違いなんて考えた事なかったけど、「和歌は心の結晶(p8)」だから書いた登場人物によって味わいが全然違う。 平安時代の人の中にも和歌が上手い人もいれば下手な人もいて、和歌だと大胆な人とか、古風な言い回しな人とか、不器用さがあらわれちゃう人とか...源氏物語には色んなキャラクターが登場する。 紫式部は和歌がめちゃくちゃ上手だったわけだけど、源氏物語ではそれぞれの登場人物のニュアンスで和歌を書き分けているのがすごい、ということがわかった。 もし紫式部がエゴ丸出しで、どの登場人物にも紫式部感ごりごりの和歌を詠ませていたら、源氏物語が後世まで残ることはなかったのかもなぁ。 そしてそのニュアンスを現代語で和歌にしてくれる俵万智さんも本当にありがたい。 光源氏のプレイボーイ感、末摘花の周りを引かせるような古くささ、紫式部の圧倒的イイ女感、薫の独りよがりっぷりなどなど、和歌からにじみ出るそれぞれのキャラクターがめちゃくちゃおもしろくて、解釈一致!!って感じ(笑 源氏物語が好きな人全員に読んでもらいたい! それにしても源氏物語に出てくる女性は皆それぞれめちゃくちゃイイ女。 身分とか容姿だけではなく、その人が醸し出すその人らしい唯一無二の美しさみたいなものも書き分けている紫式部。 源氏物語って「どんな人も皆それぞれ美しいんだよ」って事を綺麗事ではなく伝えてくれている感じがして、案外現代の多様性を大事にする感覚とマッチするのでは。

Posted by ブクログ

2024/02/18

朝ドラの影響で俵万智さんを知り、大河ドラマの影響でこのタイトルが目に入り、手に取りました。 義務教育で多少習ったはずなのに、源氏物語の冒頭を知っているくらいで全然知識がなかったのですが、非常に興味深く読みました。 俵万智さんの考えはもちろん、他の現代語訳者の解釈にも触れられていて...

朝ドラの影響で俵万智さんを知り、大河ドラマの影響でこのタイトルが目に入り、手に取りました。 義務教育で多少習ったはずなのに、源氏物語の冒頭を知っているくらいで全然知識がなかったのですが、非常に興味深く読みました。 俵万智さんの考えはもちろん、他の現代語訳者の解釈にも触れられていて、こんなに自由に読めるものなんだなあと驚きました。 いつか源氏物語の全篇を読んでみたいと思いました。

Posted by ブクログ

2023/03/28

源氏物語には七九五首の和歌が登場するという。登場人物の人柄や歌のスキル、心境、駆け引きを含めて三十一文字の中にこめられたものを読み解いてくれる。 登場人物の名前と背景がなかなか一致せず挫折していたが、この本では和歌を通しての源氏物語を味わうことができる。俵万智訳が素晴らしく、定型...

源氏物語には七九五首の和歌が登場するという。登場人物の人柄や歌のスキル、心境、駆け引きを含めて三十一文字の中にこめられたものを読み解いてくれる。 登場人物の名前と背景がなかなか一致せず挫折していたが、この本では和歌を通しての源氏物語を味わうことができる。俵万智訳が素晴らしく、定型に収めつつわかりやすく現代語訳で豊かな物語世界の入り口となるよう。俵万智さんの現代訳や登場人物それぞれに対して丁寧な思いのこもった解説解釈を通して、細やかな心の機微を感じることができる。谷崎潤一郎訳の紹介もあるのは興味を惹かれる。 同時進行恋愛だったとしても「目の前にいる相手が、今は一番」という掟を守っているつもりらしく、口説くのは誠心誠意、熱心さ、女性への好奇心を持つ源氏を描くのに和歌の効果がひしひしと伝わる。 須磨へ旅立つ日に交わした和歌を少しだけ紹介。 生ける世の別れを知らで契りつつ命を人にかぎりけるかな 光源氏 惜しからぬ命にかへて目の前の別れをしばしとどめてしかな 紫の上 (万智訳) 死のほかに別れがあると知らないで「命の限り」と誓った日々よ 目の前の別れを先に延ばせれば死んでもいいと思うこのまま

Posted by ブクログ

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