愛する源氏物語 の商品レビュー
源氏物語の和歌の部分って今まで正直そこまで重要視してなかった。 和歌があると現代語訳の解説が入るのもなんだか「説明しよう!」って他の人が急に入ってくる感じがして、物語の流れを邪魔される気もするし、なんとなくで読み飛ばしちゃったり... だけど、この本では俵万智さんが現代語版の和歌...
源氏物語の和歌の部分って今まで正直そこまで重要視してなかった。 和歌があると現代語訳の解説が入るのもなんだか「説明しよう!」って他の人が急に入ってくる感じがして、物語の流れを邪魔される気もするし、なんとなくで読み飛ばしちゃったり... だけど、この本では俵万智さんが現代語版の和歌として書いてくれているので和歌を和歌のまま味わえる。 和歌のニュアンスの違いなんて考えた事なかったけど、「和歌は心の結晶(p8)」だから書いた登場人物によって味わいが全然違う。 平安時代の人の中にも和歌が上手い人もいれば下手な人もいて、和歌だと大胆な人とか、古風な言い回しな人とか、不器用さがあらわれちゃう人とか...源氏物語には色んなキャラクターが登場する。 紫式部は和歌がめちゃくちゃ上手だったわけだけど、源氏物語ではそれぞれの登場人物のニュアンスで和歌を書き分けているのがすごい、ということがわかった。 もし紫式部がエゴ丸出しで、どの登場人物にも紫式部感ごりごりの和歌を詠ませていたら、源氏物語が後世まで残ることはなかったのかもなぁ。 そしてそのニュアンスを現代語で和歌にしてくれる俵万智さんも本当にありがたい。 光源氏のプレイボーイ感、末摘花の周りを引かせるような古くささ、紫式部の圧倒的イイ女感、薫の独りよがりっぷりなどなど、和歌からにじみ出るそれぞれのキャラクターがめちゃくちゃおもしろくて、解釈一致!!って感じ(笑 源氏物語が好きな人全員に読んでもらいたい! それにしても源氏物語に出てくる女性は皆それぞれめちゃくちゃイイ女。 身分とか容姿だけではなく、その人が醸し出すその人らしい唯一無二の美しさみたいなものも書き分けている紫式部。 源氏物語って「どんな人も皆それぞれ美しいんだよ」って事を綺麗事ではなく伝えてくれている感じがして、案外現代の多様性を大事にする感覚とマッチするのでは。
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朝ドラの影響で俵万智さんを知り、大河ドラマの影響でこのタイトルが目に入り、手に取りました。 義務教育で多少習ったはずなのに、源氏物語の冒頭を知っているくらいで全然知識がなかったのですが、非常に興味深く読みました。 俵万智さんの考えはもちろん、他の現代語訳者の解釈にも触れられていて...
朝ドラの影響で俵万智さんを知り、大河ドラマの影響でこのタイトルが目に入り、手に取りました。 義務教育で多少習ったはずなのに、源氏物語の冒頭を知っているくらいで全然知識がなかったのですが、非常に興味深く読みました。 俵万智さんの考えはもちろん、他の現代語訳者の解釈にも触れられていて、こんなに自由に読めるものなんだなあと驚きました。 いつか源氏物語の全篇を読んでみたいと思いました。
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源氏物語には七九五首の和歌が登場するという。登場人物の人柄や歌のスキル、心境、駆け引きを含めて三十一文字の中にこめられたものを読み解いてくれる。 登場人物の名前と背景がなかなか一致せず挫折していたが、この本では和歌を通しての源氏物語を味わうことができる。俵万智訳が素晴らしく、定型...
源氏物語には七九五首の和歌が登場するという。登場人物の人柄や歌のスキル、心境、駆け引きを含めて三十一文字の中にこめられたものを読み解いてくれる。 登場人物の名前と背景がなかなか一致せず挫折していたが、この本では和歌を通しての源氏物語を味わうことができる。俵万智訳が素晴らしく、定型に収めつつわかりやすく現代語訳で豊かな物語世界の入り口となるよう。俵万智さんの現代訳や登場人物それぞれに対して丁寧な思いのこもった解説解釈を通して、細やかな心の機微を感じることができる。谷崎潤一郎訳の紹介もあるのは興味を惹かれる。 同時進行恋愛だったとしても「目の前にいる相手が、今は一番」という掟を守っているつもりらしく、口説くのは誠心誠意、熱心さ、女性への好奇心を持つ源氏を描くのに和歌の効果がひしひしと伝わる。 須磨へ旅立つ日に交わした和歌を少しだけ紹介。 生ける世の別れを知らで契りつつ命を人にかぎりけるかな 光源氏 惜しからぬ命にかへて目の前の別れをしばしとどめてしかな 紫の上 (万智訳) 死のほかに別れがあると知らないで「命の限り」と誓った日々よ 目の前の別れを先に延ばせれば死んでもいいと思うこのまま
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ピア・サポーターズTさんのおすすめ本です。 「『源氏物語』に登場する和歌と俵万智訳の歌を並べ解釈していく作品である。俵万智さんならではの視点で描かれていく解釈は、とても面白く読む手が止まりません。物語に注目が置かれがちな『源氏物語』ですが、この本を読むと『源氏物語』にでてくる和歌...
ピア・サポーターズTさんのおすすめ本です。 「『源氏物語』に登場する和歌と俵万智訳の歌を並べ解釈していく作品である。俵万智さんならではの視点で描かれていく解釈は、とても面白く読む手が止まりません。物語に注目が置かれがちな『源氏物語』ですが、この本を読むと『源氏物語』にでてくる和歌を詠み直してみたくなるそんな作品になっています!」 最新の所在はOPACを確認してください。 TEA-OPACへのリンクはこちら↓ https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00201589
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装画は中島潔さんです。おぉ、こんな絵もあるのか・・・と見入ってしまいます。カバー絵は宇治十帖の匂の宮と中の君。光源氏じゃないんかいと思いますが、すてきな絵です。 『恋する伊勢物語』の第2弾? 『源氏物語』を和歌をもとに紐解くエッセイです。『恋する伊勢物語』は軽やかな感じで読みや...
装画は中島潔さんです。おぉ、こんな絵もあるのか・・・と見入ってしまいます。カバー絵は宇治十帖の匂の宮と中の君。光源氏じゃないんかいと思いますが、すてきな絵です。 『恋する伊勢物語』の第2弾? 『源氏物語』を和歌をもとに紐解くエッセイです。『恋する伊勢物語』は軽やかな感じで読みやすかったかれど、筆致のせいか、物語の深さのせいか、少し難しく感じて読み終えるのに3週間費やしました。 『源氏物語』は大和和紀さんの『あさきゆめみし』で読了したのみですが、けっこう和歌はすっとばして読んでましたが、物語の中にはなんと795首の和歌が登場するのだそう! それを紫式部がひとりで、いろんな登場人物に成り代わって読んだと考えるとおもしろいですよね。さらに、俵万智さんが現代和歌に詠み直してとなりに並べてくれているので、とてもわかりやすいです。 さらにさらに、『源氏物語』に対するいろんな方の考察も多数引用されているので、めちゃくちゃ勉強になります。 末摘花や近江の君は、(見た目の問題だけでなくて)風流を解さず、和歌もへたくそだったことなども面白かった。才女の紫式部がわざとへたくそな歌を詠んだと思うと楽しいですよね。>< しかし、『あさきゆめみし』はそのへんの細かな描写も描かれていたので、優れた漫画だったのだなぁ〜と改めて思いました。 宇治十帖編はあまり記憶になかったので、薫が万智さんによりディスられているのがちょっとかわいそうになりました。。読んでても、紫式部はなんで「宇治十帖編」を書いたのかな〜?と謎でした。 やっぱり『源氏物語』は面白いから、死ぬまでにだれかの訳で読みたいな。大学生のときに読んどきゃよかった〜。
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源氏物語~宇治十帖までの内容を知ってる上で、読むべき一冊だと思います。現代語訳では和歌自体をフィーチャーすることは少ない、もしくは和歌の訳は省かれていることが多いのですが、俵さんらしい捉え方で、和歌から読みとる源氏物語になっていて、大変興味深かったです。俵さん、薫と夕霧に対して手...
源氏物語~宇治十帖までの内容を知ってる上で、読むべき一冊だと思います。現代語訳では和歌自体をフィーチャーすることは少ない、もしくは和歌の訳は省かれていることが多いのですが、俵さんらしい捉え方で、和歌から読みとる源氏物語になっていて、大変興味深かったです。俵さん、薫と夕霧に対して手厳しいのが印象的でした。
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とにかく読みやすい。現代語訳された和歌がとても素晴らしくて、時代は違っても恋をする人の心は変わらないんだなあ・・・と思った。今度は、源氏物語の現代語訳も読んでみたい。
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こっちのダメージの方が大きいです。けっこう、長文だったのに〜。 小泉宏の「まろ、ん」が、きっかけで、今わたしは、私的な源氏物語ブームが来ています。 ということで、今日は、源氏物語関係の本を2冊読み終えました。 ちなみに第1次ブームは、もちろん「あさきゆめみし」だったりします。...
こっちのダメージの方が大きいです。けっこう、長文だったのに〜。 小泉宏の「まろ、ん」が、きっかけで、今わたしは、私的な源氏物語ブームが来ています。 ということで、今日は、源氏物語関係の本を2冊読み終えました。 ちなみに第1次ブームは、もちろん「あさきゆめみし」だったりします。あの本は、大学受験、大学の古文の学習と、本当に役に立ってくれました(笑) 最近のマンガで、受験勉強のともに「あさきゆめみし」が出てきてビックリしましたが、あれ、本当です。 源氏物語のいいところは、女のキャラクターがとっても立っているところですねぇ。 細かい描写が、本当にその子の性格をよく表していて、納得がいくんです。 例えば、わたしのお気に入りは、雲居の雁だったりするのですが、この子が、夕霧と引き離されちゃったときに家でゴロゴロとしているんですね。 そんなところに、頭中将がやってきて、 「だらしないことしてたらダメ」 とか言って注意するシーンがあります。このシーンなんか、結婚してからのこの人の色気のなさとすごくリアルに結びついているなぁと思っています。わりと、ざっとして現実的な性格なんやなぁ。 「あさきゆめみし」は、そういう細かい部分も、けっこう原作通りに描写していて、実際に古典を覗いて比べてみるとビックリします。 でも、この人かわいいですよね。特に、夕霧と夫婦げんかするところなんか、夕霧も、「かわいい」とか思っていますが、あの様子見て出ていく男の気が知れないほどかわいいです。 もう1人、源氏物語で好きなのは、真木柱の姫君です。これも、とっても性格のいい女の子ですねぇ。 今はとて宿離れぬとも馴れ来つる 真木の柱はわれを忘るな というのは、素直で好きな歌なんです。 牧美也子の「源氏物語」では、これを見た髭黒大将が、 「忘れるなって、柱かよ〜〜」 と言って嘆くのですが、これって、「パパ、わたしたちのこと忘れないでね」という意味だと思うのですか……。 妹の解釈によると、 「髭黒大将は、そんなこともわからないぐらい素直で無粋な人だったということでしょう」 ということなんですが。 このあたりのことは、「愛する源氏物語」には、なんにも書いてないので残念です。 まあ、1巻で宇治十帖まで行くんですから、こういう枝葉にこだわってられないかな? 「愛する源氏物語」でよかったのは、薫の性格がよく理解できたことです。 今までの源氏物語では、イマイチ、この2代目、3代目の男たちの 性格はよくわかんなかったんですねぇ。 でも、俵万智は、ビシッと切っておってとってもわかりやすいです。 実は、今まではあんまり、柏木も、薫も、匂の宮も、見分けがついていなかったわたしでした。うーむ。男のキャラクターにあんまり興味がないということもあるし、キャラが小粒だし…。 でも、これで、よくわかりました。 けっこう、源氏物語では、しゃべっときたいことが多いというのがよくわかりますね。 うーむ。せっかくたくさん書いても、また落ちたらいやだから、今日はこれぐらいにしておきます。 「月下の君」の続きもあるし、また、書く機会はあるだろう。
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7/24 源氏の君って、プレイボーイではあるけど女の扱いがそう上手いわけでもないような気がしました。
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源氏物語の和歌を現代風に詠み直すなんて、何て大冒険!でもさすが万智さん、しっくりきてた。すごく面白くてあっという間に読んでしまった。
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