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クリヴィツキー症候群 講談社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社/ |
| 発売年月日 | 2003/07/15 |
| JAN | 9784062737890 |

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クリヴィツキー症候群
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商品レビュー
3.4
9件のお客様レビュー
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岡崎神策シリーズの短編集です。ソ連大使館員殺害の容疑者が、自分をクリヴィッキーの生まれ変わりだと言い出す。どうやって、嘘を見破るのか楽しみでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[謀略のマジック] 初めての逢坂剛。「山猫の夏」と「カディスの赤い星」との逸話や、著者が心理・精神分析の最新の成果を盛り込んだ小説を書いていることを聞いていたし、我孫子武丸も誉めてたから、すげえ期待してたんだけど・・・、ダメでした。 巻末の参考資料のリストからすると、この作者は、現実に存在する資料に基づいて歴史的な事実を推理し、それを元に短編を書くという手法を用いる人らしい。この短編で岡坂がベラスコの名前を見つけだすまでのプロセスは、実際に著者が現実の調査で辿ったものと同じだというから、確かにそれはすごいことだと思うし、スペイン内戦に興味を持っている人にとっては非常に面白いものなのかもしれない。けど、俺には全然面白いと感じる部分がなかった。なんか学術論文を読まされているみたい。おっと思ったのは、あのお茶の水の古本街にこんな秘密が他にも埋まっているのかな、っていうことぐらいだな。 途中で起こる殺人事件が、過去の歴史や諜報戦のためではなく、単に痴情のもつれっていうのもあっさりしすぎてる。艶っぽさもないし、新本格のようなハッタリも効いてないしでは、エンタテインメントとして問題ありだよなあ。 心理学関係の短編では、「Esの方程式」の前半のような濃い話を期待する。 [遠い国から来た男] なんかこれもいまいちだなあ。キム・フィルビーというのはそれだけで、オチになるほどのものなんだろうか?そこら辺がよくわからん。まあこの短編は無理矢理岡坂ものにしたということだから、そのせいでしっくりこないのかもしれないけど。 個人的には、相手の日本人の正体の方が気になる。 [オルロフの遺産] 殺人の原因が、雑誌に記事を書くための資料というのはいいとしても、謀略とかハデ目の話がないから、地味なんだよなあ。もっとも、話がでかくなりすぎて嘘臭いのもヤダけど。 今回は公安と新左翼の内通という生臭い部分も出てくる。けど、そこから想像するような緊迫感は伝わってこない。全体的に冷静な感じがするなあ。沢井は両刀使いだっていう設定があったりして、猥雑さを持ち込もうとはしてるんだけど、プロット上はともかく雰囲気に上手くいかされていない気がする。 [幻影ブルネーテに消ゆ] これも無理矢理岡坂もの。戦争小説としては、それほど目新しさや驚きがあるというわけではない。最後のオチも強引すぎて、俺にはちょっと。「遠い国から来た男」と同じで、いきなりハメットを持ってこられてもなあ。ふーん、って感じ。 [クリヴィツキー症候群] はっきり言って、これまでの4つの短編を読んで、もう逢坂剛についてはあきらめかけていた。俺の趣味とは合わない、って感じで。いいかげん、スペインに関する蘊蓄にうんざりしていたと言ってもいい。そしてこの短編がそのままの雰囲気で終わっていたら、事実そうなったと思う。 精神科医として瑛子が出てきたときから、ひょっとしたらという予感はあった。瑛子の描写に今までになかった艶っぽさが感じられ、まさしく俺の望んでいた「Esの方程式」のような雰囲気がある気がしたから。読み進めていくうちに、犯人がクリヴィツキーの人格を装っているだけと解ってきたときには、看板倒れな気がしてちょっと残念だったけど、それでもこの雰囲気でシリーズが続くなら、次の短編も読んでみようかと思っていたくらい。 けど、やってくれました。見事。俺が看板倒れだと思ったときには、すでに作者の罠にはまっていたとは。推理小説でこれに匹敵する驚きといったら、マジで「十角館の殺人」ぐらいかも。 確かに当たり外れは多いのかもしれない。けど、もう一度この驚きを味わうためなら、他の作品も読んでみようという気にさせるだけのインパクトはある。傑作。 全部このクラスの短編なら★5つでもいいんだけどなあ。
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