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森有正先生のこと
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栃折久美子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2003/09/29
JAN 9784480814555

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商品レビュー

3.3

6件のお客様レビュー

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2015/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ルリユールの人」の本、としか知らなくて手に取った本。びっくりした。 出会いからあっという間に、ほとばしる情熱のままに距離を縮めていく二人。筆者からだけでなく、双方向の、お互いを想う気持ちがそこかしこに溢れてる。言葉に行動に、ためらいもなく赤裸々に、そして真っ直ぐに表されてて。 私が知らなかっただけかもしれないけど、一見クールな教養人っぽいお二人のイメージとのギャップにあんぐり。 こういう恋愛もあるのか〜。 室生犀星の「蜜のあはれ」、ってシュールな話がありますよね、金魚が喋るやつ。あれの装丁をしたのがこの筆者で、その話がさらに「火の魚」って作品に結実しているそうです。

Posted by ブクログ

2013/03/10

栃折久美子という名は、日本にルリユールという造本の仕事を根づかせた名として記憶している。フランス装という造本の仕方がある。かっちりとした厚紙を芯に美しい紙や布を貼った表紙を持たず、四方を内側に折った紙を簡単な表紙にした、いかにも仮綴じという感じのするその造本が洒落たものとして輸入...

栃折久美子という名は、日本にルリユールという造本の仕事を根づかせた名として記憶している。フランス装という造本の仕方がある。かっちりとした厚紙を芯に美しい紙や布を貼った表紙を持たず、四方を内側に折った紙を簡単な表紙にした、いかにも仮綴じという感じのするその造本が洒落たものとして輸入され、一つの造本術とされているが、実は、フランスでは、そうして仮綴じされた本を、もう一度製本し、好みの革表紙をつけたりするのがいわば普通で、ルリユールとは、そういう造本作業のことを意味している。栃折久美子は日本におけるその第一人者である。 森有正は、その名前からも分かるように、森有礼の孫にあたるフランス在住の学者である。その著作に触れたことはないが、何かの折りに名前が出てくることがあり、記憶の底に引っかかっていた。この本は、フリーランスの装幀家として独立した著者が、森を知り、その著作を読むことで、傾倒し、私淑してゆくに連れ、森の信頼を得、ほとんど私設秘書のような存在と化し、やがては結婚の対象とまで考える関係に至る過程を「大学ノート二十三冊、積み上げると高さ二十センチメートルをこえる」著者の日記をもとに書き起こしたものである。 パリに客死した孤独な思索者といった趣の強い森有正との恋愛をこれもまた著名な装幀家が告白した本ということで、年の離れた大学教授と若い女性のよくある関係を想像されるといけないので、はじめに言っておかねばならないが、そういうどろどろした男女関係は皆無である。 夏ごとに日本に帰省する学者は、身辺雑事に疎く、下着を買うのも、牛乳を買うことも一人では満足に出来ない。筑摩書房に勤めていた著者は、頼まれた本を探したり、口述筆記をしたり出来る頼りになる存在として、学者の頼みを一気に引き受けることになる。著者には、自分を変えるほどの力を持つ思索者の生身の姿に触れることのできる悦びがある。こうして二人は二人三脚のような生活をはじめることになる。 一夜にして六十枚の原稿を書き言葉として口述筆記させる力を持つ人が、自分の下着も買いに行けないという、アンバランスな存在として描き出される森有正に名状しがたい迫力がある。また、回想記の作者である著者の知的で硬質な文章から想像されるてきぱきとした実務家的な才能と、思い込んだら一直線に突き進む情熱が混在する人間性の魅力が行間から溢れ出している。 どろどろした恋愛関係は皆無と書いたが、ただ身の回りの世話をし、ともに食事をしたりするだけの日常の中にも、少しずつ男女の関係(精神的な)が深まってゆくのが、何気ない記述からも窺える。学者の冗談とも本気ともつかないフランスでの納豆作りの話に笑っているばかりだった著者が、次第に料理の食べ残しを学者に食べてもらったり、学者が著者の飲み残しのワインを飲んだりするようになってゆくあたりは、濃厚な男女の関係の深まりを感じさせる。 やがて、学者からの唐突なプロポーズめいた言葉があり、著者が「自分からタイミングを外した」「タイミングを計り損なって時を失った」という応答があり、二人の関係は疎遠なものになってゆく。その頃、著者にとってのライフワークともいえるルリユールを学ぶ留学経験が重なっているのは、何か運命的なものを感じさせる。 森有正という稀有な存在との関係を描きながら、陳腐な言い方になるが、この国初のルリユール作家として自己実現を成し遂げてゆく著者の自伝ともなるこの一作は、フランス風の明晰なスタイルで綴られた、きわめて硬質な叙情性を排した恋愛小説とも読める。森有正の残した本を読んでみたくなったことは言うまでもない。青い表紙の本は著者自装による。

Posted by ブクログ

2012/07/05

長いラブレターのような本。自然と知人を思い出していた。感情の吐露が表現ではなく、記述量に表れている。だから辛い。

Posted by ブクログ

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