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孔子伝 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 2003/01/25 |
JAN | 9784122041608 |
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孔子伝
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商品レビュー
4.1
15件のお客様レビュー
ここ数年、「学習する組織」との関連性みたいなところから、「論語」関連の本をときどき読んでいるのだが、これは「孔子」像をかなり根源的なところから転倒してしまうすごい本。 「孟子」をよんだときの印象で、この人(孟子)は、なんだか、政治経済の政策コンサル会社のシニア・パートナーみたい...
ここ数年、「学習する組織」との関連性みたいなところから、「論語」関連の本をときどき読んでいるのだが、これは「孔子」像をかなり根源的なところから転倒してしまうすごい本。 「孟子」をよんだときの印象で、この人(孟子)は、なんだか、政治経済の政策コンサル会社のシニア・パートナーみたいだなというのがあった。 考えてみれば、この時代の中国は、たくさんの国があって、勢力均衡したり、戦争したり、クーデターがあったりしていたわけで、そういうなかでいろいろなコンサルが諸国を回って営業活動、政策提言活動をしていたというのもおかしなことではない。 そして、孔子もそういうコンサルの一人であった。 だが、コンサルといっても、政治にかかわる以上、命がけである。国の事情が変われば、亡命生活を余儀なくされる。また、政権側に採用されても政変で殺されたりする。(実際、孔子の弟子の子路は殺されて、塩漬けにされている) とくに「孔子」は、当時の反体制の革命家的コンサルなので、危険がいっぱい。 そういう厳しい亡命生活のなかで、そして、結局のところ現実の政治にはたいした影響を与えることができないという厳しい状況のなかで深まっていく思想があって、それを一緒に学んでいく弟子たちがいる。 そして、孔子の死後は、その弟子たちは分裂して、実質的に孔子の思想は分からなくなってしまう。さらに、時代が変わって、中国の体制が安定したときに儒学を統治のための思想として政治利用することになって、ますます、なにがなんだか分からなってしまう。 白川静は、そこをテキストを選り分けていくことで、孔子の思想のコア部分を掘り当てていく。 孔子は、超越的なものに頼らない、人間的合理性を重視した人というイメージがあるのではないかと思うが、白川さんによると、孔子は巫女の庶生子で、呪術的な要素があるとのこと。と言われれば、孔子が礼儀とか、儀式とかにうるさいことが、すんなりと理解できてくる。 そして、亡命生活の末に孔子が到達した境地は、「荘子」に近いところにあるという。さすがにそこまではと思いつつ、そんなにおかしくもないような。。。。 もちろん、この孔子像を評価することはわたしにはできないし、この1972年にでた白川説がその後どういうふうな評価になっているかもわからない。そもそも、「論語」の内容を理解していることが前提になっている本なので、内容自体、ちゃんと理解できているかもあやしい。 でも、この孔子には、とてつもないリアリティを感じる。 そして、聖人ではない、血の通った人間として、悩みながら、失意のなかでも前に進み続ける人として、尊敬できる人だな〜。
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白川静 「孔子伝」 聖人というより人間孔子という感じの評伝。史記を批判したり、孔子の巫女の子説を展開したり、始めは過激に感じたが、固定的な孔子像ではなく、時代によって 異なる孔子像を作ることで、孔子の生き方から普遍性を抽出しようとしている。 孔子像 *巫女の子〜孔子の人間...
白川静 「孔子伝」 聖人というより人間孔子という感じの評伝。史記を批判したり、孔子の巫女の子説を展開したり、始めは過激に感じたが、固定的な孔子像ではなく、時代によって 異なる孔子像を作ることで、孔子の生き方から普遍性を抽出しようとしている。 孔子像 *巫女の子〜孔子の人間性の原点 *挫折と亡命〜反体制としての孔子 *周の礼楽文化の伝統を理想とする孔子〜五十にして天明を知る(斯文への自覚) *平穏で平凡な死〜いまだ生を知らず焉んぞ死を知らず 孔子像を明らかにする論語の言葉 *述べて作らず、信じて古を好む。ひそかに我が老彭(ろうほう)に比す *詩に興り、礼に立ち、楽に成る 仁とは何か *己れに克ち 礼に復るを仁となす〜イデアが実現する場所としての仁 *仁を為すは己れに由る。人に由るならんや 述べて作らず、信じて古を好む ひそかに我が老彭(ろうほう)に比す *祖述者であって創作者ではない *その一生を老彭に求める〜老彭=孔子の出発点である巫祝の世界 *古代の神巫の生き方を典型とし、思想と文化のよるべきところを求めて、周の礼教文化の創始者である周公を理想とした 詩に興り、礼に立ち、楽に成る *興=心が開かれ、他を理解できる *詩への理解、感情への共感こそ人倫の道に連なる *詩は人を「思うこと邪無し」という純粋の思惟の世界に導く *礼の本質が現在の秩序を支える社会的な合意にあり、合意の根底には仁がある *楽に成る=人間形成の最終段階〜美と善の結合 孔子の死は平穏であり平凡 *ソクラテスやキリストの死は、死することが生きる *いまだ生を知らず、焉んぞ死を知らず〜生きることが死への意味づけであり、死は生に含まれている
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素晴らしい研究者がいらっしゃったんだな。 孔子がどのように生きたのか、彼の思想がどのように受け継がれていったのかについて述べられている。ソクラテスやイエスを比較の対象にしているところもあり、中国学者ながら西洋の思想にも詳しいよう。郭沫若という中国人もこの本を通して初めて知った。 ...
素晴らしい研究者がいらっしゃったんだな。 孔子がどのように生きたのか、彼の思想がどのように受け継がれていったのかについて述べられている。ソクラテスやイエスを比較の対象にしているところもあり、中国学者ながら西洋の思想にも詳しいよう。郭沫若という中国人もこの本を通して初めて知った。 巫祝集団から儒教が、百工集団から墨家が生まれたと考えられ、思想は社会的階層のイデオロギーとして生まれた。批判は自他を区別することで、批判と再批判を通じて諸子百家お呼ばれる多彩な思想家の活動が展開された。荘子は孔子の思想的系譜の正統な継承者であり、ノモス的な世界の否定を通じてイデアを回復した。儒教のノモス化は孟子が促進し、荀子に完全されてしまった。孔子の精神がちゃんと反映されている論語の形成について考察する。
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