キノコ・ワールド最前線

山中勝次(著者)

• 販売会社／発売会社: 東京書籍
• 発売年月日: 2003/11/07
• JAN: 9784487799435

商品レビュー

2014/03/15

キノコの世界を　わかりやすく物語風にした本で
読みやすく，キノコのとらえ方が　生き生きしていて
おもしろい。

キノコが　美味しいかどうかは　刷り込みのなせる技
という指摘が　マトを得ていると思った。
マツタケが　世代をつないで　
美味しい高級な食べ物として　継承されるのか。

世界　三大　キノコ
マツタケ
トリュフ
ポルチー二

マツタケは　海外１０ヶ国から輸入されている。
２００１年　約２４００トン　国内生産　７９トン
１９９４年　マツタケ国内生産　３６２２トン。

マツタケの香りは　秋の香りなのか？
香りは、「桂皮酸メチルエステル」「1－オクテン－3－オール」 「2－オクテン－1－オール」
食感の美味しさ。エリンギの食感に似ているとか。
噛み締めたときの美味しさ。
グアニル酸。（干し椎茸のうまみ成分）

トリュフ
雲南のトリュフをたべたが、どう見ても，ジャガイモみたいな味だった。
どこが違うのだろうか。

雲南のトリュフは雲南松や華山松の根に菌根を作る。
石灰岩のカルスト地形のところに多い。土壌は酸性である。
ヨーロッパのトリュフは　広葉樹の根に菌根を作る。

熟成を確かめずに収穫することが大きな問題。

トリュフの香りの成分が　アンドステロール　であり、
これは，ステロイド構造を持っていて，性ホルモンに近いですね。

ポルチーニ
中国のポルチーニの品質が悪い理由
⑴夾雑物が多い。石突きを十分に落としていない。
⑵加工過程がズサン。乾燥が十分でない。
⑶乾燥の時に石炭や練炭を使用し，亜硫酸ガスが、ポルチーニに吸着される。

ポルチーニは、
香りと味のバランスがとれていて，
しっかりした肉質、歯ごたえ、歯触り，舌触りがよい。

ニセマツタケ問題。
シイタケにもかかわらず，
シイタケと融合したマツタケといって、
福山のヒトは、商売をする。
マスコミが　取材し　騒ぎを大きくする。

マツタケは　中国では　マツにはえない。
青岗林〈植〉常緑性のコナラ属樹木の総称　に生えて、
青岗菌と言われている。
四川省のマツタケは　
日本のマツタケと同じ遺伝子グループにはいる。

ヨーロッパで好まれる　三大キノコ
ポルチーニ（ヤマドリタケ）
アンズタケ
アミガサタケ

アンズタケは　中国語で　鸡油菌　という。
キノコ市場で　見たことがあった。
ちょっと，小柄な黄色いキノコですので、汁にして食べた。

アミガサタケは、中国語で　羊肚菌　という。
見てくれは　よくないですね。
確かに，キノコ屋さんで　高いキノコだから　食べてごらん
と言われたが，あまり美味しいものではなかった。
キヌガサタケ　のほうが、きれいな感じがして　おいしい。

まぁ。今回の本は　十分にキノコの世界が　
広がりたのしかった。
時代の流れに　ちゃんと寄り添いながら　
キノコを語っているので好感が持てる。