趣味の園芸 コチョウラン よくわかる栽培12か月 NHK趣味の園芸

富山昌克(著者)

• 販売会社／発売会社: NHK出版/
• 発売年月日: 2003/12/13
• JAN: 9784140402023

商品レビュー

2019/12/30

今までは「感覚」や「経験」でやってきたが、
しっかりとした知識を入れて、レベルアップを図っていく。

コチョウランの語源
　日本では蝶の舞う優雅さを連想して、「胡蝶蘭」と表記します。
　属名はファレノプレシスといい、略称はファレです。
　自生地は熱帯から亜熱帯地方で高温多湿ですが、高い樹木に着生しているため、非常に風通しに恵まれています。昼間は高温（28°c）で風通しがよく、夜間はかなり冷え込んで（約18°c）、翌日の光合成のために、十分な炭酸ガスを吸収しています。

風通しがいい場所が好き
コチョウランは風に当たるのが大好きという特性。特に花茎が伸びる時、絶えず空気が動いていると、伸長がよくなります。

最低温度が27°c以上あれば、コチョウランははを一年中伸ばし続け、花芽ができません。花芽ができるには、暖かった温度が18°cまで下がるという低音条件が必要です。そして、花芽ができたあとも最低温度を18°c以上に保つことができれば、1ヶ月で花茎が伸び始め、それから2〜3ヶ月で開花に至ります。

温度とコチョウランの生育状況
42°c以上になると温度が高すぎて枯れてしまうものが現れる。
20°c 花茎を伸長させるための最適温度
18°c 花芽を分化させるための最適温度。また花茎を伸長させるための最低温度。
　　　栄養成長を続ける最低温度。
15°c 花茎が伸びる最低温度
〜7°c 生存の危機。この温度を下回ると枯死するものも

1月のコチョウラン
　夜の最低温度が18°C以上で育てると、冬も成長を続けることができる。
　最低温度15°C以上を確保できれば、花芽の伸長は少しずつ進みますが、15°Cを下　回ると花芽もはの成長も停滞します。10°C以下になると下葉が黄ばんで落葉するものが出始め、7°C以下では枯死するものもあります。
　置き場　ガラス越しの日光にしっかり当てる。最低温度は18°Cで管理し、最高温度は27° Cまでとします。湿度は60％です。

2月
　特になし

3月
　特になし

4月
　下旬から植え替え可能
　室内温度は、できれば27°c〜32°cを目指します。難しければ20°c以上でもよい。
　湿度は60 ％〜70%

5月
　特になし

6月
　　高さ15cm〜50cmほどの台の上に置き、戸外の明るい日陰で管理。直射日光の当たる風通しのよい場所で、ほかの植物や洗濯物の陰になるような環境が理想的。株は必ず葉を南向きに置く。

7月

8月　成長期の真っ最中
　　　高芽等

9月
　成長期
　最低温度は18°C以上に保つように、夜は必要に応じて室内に取り込む
　常に葉は南向きに。
　葉がおかしくなったら、その部分を切り取り、切り口に瞬間接着剤を塗っておく。水分の蒸発と病気の感染を防ぐ。
　熱帯原産の植物は基本的に秋に植え替えは行わない。

10月

11月
　冬場は鉢の中まで乾いてから水をやるのが原則。割り箸を鉢の中まで差し込んでみる。割り箸の先を触ってみて、湿り気を感じたら、水やりは行わない。完全に乾いてから水やりする。30°Cのぬるま湯で。保湿のために葉裏に霧吹きで水をかける。
　ひび割れた葉の修復。セロハンテープ、接着剤を使用。

12月
　　コチョウランのように厚い柔らかい葉をもつ植物は、普通の薄くて硬い葉をもつ植物とは異なる光合成を行なっています。炭酸ガスなどを昼間ではなく夜間に取り入れておくため、コチョウランは夜間も活発に活動しています。

コチョウランの葉の付け根は水がたまりやすい構造のため、ずっとぬれたままになっていると病気にかかりやすくなります。