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高峰秀子の捨てられない荷物 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2003/03/10 |
JAN | 9784167656584 |
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高峰秀子の捨てられない荷物
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商品レビュー
4.7
4件のお客様レビュー
高峰さん、松山さん、斎藤さん、全員違うタイプの愛すべき方々。高峰さんは孤高、カリスマ、ユーモア、依存しない人。松山さんは誠実で責任感のある人。お二人とも自律していて潔くて優しい。斎藤さんは天真爛漫、オープン、謙虚。謙虚については高峰さんと松山さんも傍目に目れば謙虚だけども自ら持つ...
高峰さん、松山さん、斎藤さん、全員違うタイプの愛すべき方々。高峰さんは孤高、カリスマ、ユーモア、依存しない人。松山さんは誠実で責任感のある人。お二人とも自律していて潔くて優しい。斎藤さんは天真爛漫、オープン、謙虚。謙虚については高峰さんと松山さんも傍目に目れば謙虚だけども自ら持つ尺度が強固であるが故に謙虚の自覚がない。斎藤さんは凡人の尺度も持ち合わせてることからくる意識している謙虚。 あえて自分がどなたに近いタイプか考えてみたら斎藤さんに近いのかなと思った。弱みを自覚してさらけ出して可愛がってもらうタイプ。
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恥ずかしいながら女優高峰秀子についてほとんど知識がなく読みましたが、高峰氏と松山氏の人柄がとてもよく分かった気がします。終盤の高峰氏が数学が不得意な事を恥じている件がとても悲しかったです。人間は誰でも学ぶ権利があるはずなのに、それが守られない場合もあるのだと…。
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『芸術新潮』の1月号(ベン・シャーンの特集)→そこに載ってたクレー小論の後編→前編をたどって『芸術新潮』12月号(高峰秀子の特集)→そこで強く印象に残った斎藤明美の「まさに"食う"ように」から、この本を借りてくる。斎藤明美は、高峰の養女となった人。高峰のことを...
『芸術新潮』の1月号(ベン・シャーンの特集)→そこに載ってたクレー小論の後編→前編をたどって『芸術新潮』12月号(高峰秀子の特集)→そこで強く印象に残った斎藤明美の「まさに"食う"ように」から、この本を借りてくる。斎藤明美は、高峰の養女となった人。高峰のことを敬愛し、「かあちゃん」と呼んでいる。 高峰秀子=デコちゃん、というくらいは私もかろうじて知っていた。しかし高峰映画を見たこともなく、子役時代から働き続けた半世紀の役者人生、そしてたくさんの本を書いていることも、『芸術新潮』の「高峰秀子の旅と本棚」の特集記事で初めて知った。 高峰秀子が背負ってきたデカい荷物―女優業、デカい家、大量の家財、別荘、執筆業。そのなかでも一番捨てたかったのは"女優"だった。これさえ無くなればあとのものも自然となくなる。その悲願だった引退を、養母の死から一年後に果たした高峰は、デカい荷物を処分していく。 思い出の詰まった品もある。普通はなかなか処分できないものだ。そこのところを、斉藤のインタビューに、高峰はこんなふうに答えている。 ▼…かあちゃんは『徒然草』が好きだろ。あの、何でもかでも『いと見苦し』のオジサンが書いてるじゃない、『身死して財残ることは智者のせざる処なり…』って。だから思い切って物への執着は捨てて、思い出だけを胸にしまおうと思ったわけ。思い出は何時でも何処でも取り出して懐かしむことができるし、泥棒に持っていかれる心配もないからね。…(p.257) 「まさに"食う"ように」本を読んできた高峰は、さかのぼれば5歳からの子役人生を容易に降りられなかったために(多くの親族の生活を担って稼ぎ続けていたために)、小学校にもほとんど通えず、読み書きを独学してきたのだった。そのことについてふれた部分には胸がふさがる思いがする。こんなにも学びたかった人が、「学校に行かなくても人生の勉強はできる」と学校をやめねばならなかった。 高峰への10時間以上のインタビューと、「かあちゃん」との日々のつきあいをもとに書かれたこの本は、そういう環境で生きぬいてきた高峰の人となりを伝えて、ところどころ吹き出すほどおかしい。私がこの本を読み終わると、えらい笑ってたナーと同居人に言われたのだった。 「自分のお財布からお金を払って、私が出た映画をわざわざ観に来てくださった方、一人一人が、私の勲章です」とという気持ちで仕事をしてきた高峰の言葉に、自分の財布からお金を払って『We』を買ってくださる読者のお一人お一人に対する有り難さを、あらためて感じた。 (2/9了)
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