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戦死者霊魂のゆくえ 戦争と民俗
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 吉川弘文館/ |
発売年月日 | 2003/04/25 |
JAN | 9784642079174 |
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戦死者霊魂のゆくえ
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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
柳田民俗学が「経世済民」の学として、同時代の社会問題に対する応答という側面を持つことはすでに論じられてきた。本書ではその問題が、戦時/戦後を跨ぐ「先祖の話」の精読を通じて説得的に論じられる。柳田はそれまでの自説を枉げてまで、「七生報国」という公的な死のイデオロギーと祖霊信仰とを...
柳田民俗学が「経世済民」の学として、同時代の社会問題に対する応答という側面を持つことはすでに論じられてきた。本書ではその問題が、戦時/戦後を跨ぐ「先祖の話」の精読を通じて説得的に論じられる。柳田はそれまでの自説を枉げてまで、「七生報国」という公的な死のイデオロギーと祖霊信仰とを結び合わせていった。あるいは、祖霊信仰と「玉砕」「特攻」の死の間に矛盾が起こらないよう、自説を調整していった。 それに対して筆者は、とりわけ日中戦争期以降、弾丸除けとして「天狗」信仰が人々の注目を集めていたことを指摘する。柳田は戦争での非業の「死」を意味づけようとしたが、筆者は人々の「生」(生きたい、という気持ちと生きて帰って来てほしい、という思い)への願いを掬い上げるところから、人々の生活実感に即した民俗学を考えようとしている。
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筆者は柳田著『先祖の話』を批判的に検討し、民俗の関心事は死後の世界(他界観念)というよりは生への希望と加護(弾除け祈願など)にあった可能性を指摘している。しかし、両観点はそもそも異なる対象を扱っている。第一に、柳田の他界観念は死後、本書は生前の民俗・信念にフォーカスしている。第...
筆者は柳田著『先祖の話』を批判的に検討し、民俗の関心事は死後の世界(他界観念)というよりは生への希望と加護(弾除け祈願など)にあった可能性を指摘している。しかし、両観点はそもそも異なる対象を扱っている。第一に、柳田の他界観念は死後、本書は生前の民俗・信念にフォーカスしている。第二に、柳田の他界観念が特攻など「必死」の人々の遺族を想定していたのに対し、本書では戦死者一般を想定しており、両者は明らかに射程が異なっている。したがって本書は必ずしも柳田の他界観念を効果的に反論したとはいえず、その価値は新しい視点の提出にとどまると考えるべきだろう。 なお、筆者のいうように当時の柳田の大東亜戦争観がローカルな視点に立つものであったことは否定するべくもないが、当該戦争を単なる侵略戦争と紋切り型に理解して止まない筆者の視点もまたローカルなものと見なさざるを得ない。少なくとも硫黄島に「いおうじま」とルビをふる間違いや、「東京裁判が日本の侵略性を次々に明らかにした」といった表記からは、筆者が第二次大戦をめぐる最新かつ大局的な知識をふまえて柳田批判をしていると読み取ることは難しい。
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戦死者祭祀といえば靖国神社だけがクローズアップされるが、当然民間での戦死者祭祀も行なわれていた。国として、戦死者祭祀をどのように行なうべきかを考える本。
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