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徴候としての妄想的暴力 新世紀小説論
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 平凡社/ |
| 発売年月日 | 2003/01/16 |
| JAN | 9784582831368 |
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徴候としての妄想的暴力
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徴候としての妄想的暴力
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2000年から2002年にかけて、著者が雑誌上で連載していた書評をまとめた本で、ミステリを中心に28作品がとりあげられています。 書評集なので、かならずしも特定のテーマにそって書かれた文章が集められているわけではありませんが、本書の序文として置かれている「観念と妄想」というタイ...
2000年から2002年にかけて、著者が雑誌上で連載していた書評をまとめた本で、ミステリを中心に28作品がとりあげられています。 書評集なので、かならずしも特定のテーマにそって書かれた文章が集められているわけではありませんが、本書の序文として置かれている「観念と妄想」というタイトルの文章には、著者の関心の中心がどこにあるのかということが明らかにされています。著者はまず、現代において19世紀的な文学の枠組みが解体してしまったという現状を確認します。そのうえで、19世紀のロシアにおける「引きこもり」の青年をえがいたドストエフスキーの『罪と罰』と、現代日本における「引きこもり」をえがいた村上龍の『共生虫』、田口ランディの『コンセント』、阿部和重の『ニッポニアニッポン』のちがいについて考察を展開します。 『罪と罰』のラスコーリニコフは、「いい子」であろうとする努力に疲れ果てて貧しい小部屋に引きこもり、ニーチェの超人思想に似た「観念」の世界を構築し、殺人を犯します。こうした著者の解釈は、20世紀における「観念」の暴走をテーマにした『テロルの現象学』において詳細に展開されている考えかたにもとづくものといえます。これに対して現代日本における「引きこもり」の主人公たちの「観念」は、ラスコーリニコフとくらべるときわめて脆弱であり、多くの人びとを巻き込み増殖するような力はありません。むしろ彼らは、現実的な世界や他者が消失した、きわめて個人的な「妄想」のうちに入り込んでいると著者は主張します。 社会と対峙しうる壮大な「観念」の体系がもはや存在せず、ジャンクのような「妄想」だけが存在する現代において、他者の理解を絶した「暴力」がどのようにして生まれるのかということに、著者の関心は向けられているようです。
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