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ならずもの国家アメリカ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2003/11/20 |
JAN | 9784062116480 |
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ならずもの国家アメリカ
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この本を読んだ率直な感想は、アメリカ批判は的を得ていて、その原因説明も明快ではあるが、「ではどうすればいいか」という解決案ではやや理想論的なことばかり並べているのではないかということであった。アメリカが拒否してきた様々な条約を直ちに調印すべきことや、海外における軍事費の削減といっ...
この本を読んだ率直な感想は、アメリカ批判は的を得ていて、その原因説明も明快ではあるが、「ではどうすればいいか」という解決案ではやや理想論的なことばかり並べているのではないかということであった。アメリカが拒否してきた様々な条約を直ちに調印すべきことや、海外における軍事費の削減といったことが述べられていたが、現実の政権に照らし合わせてみるとほぼ不可能のように思えた。なぜならば、現政権を動かしているのはネオコンであり、それはこの本の中でも定義してように利己主義を唱えるものである。それゆえ、彼らは京都議定書や国際刑事裁判所設立条約に反対してきたのではなかったのだろうか。また、石油の需要から中東、特に湾岸に軍部をおくようになったし、省エネの生活に転換しようとしないことがエネルギー需要を増大させている面があるということも書かれていた。そのような利己主義者に対して、彼らの今までしてきたことを180度ひっくり返した政策を取ることを要求するのは、よほど彼ら(ネオコン)が思考展開しない限りは無理だと思う。それでも著者の言うような政策を期待するのであれば、私は次期大統領にケリー氏が当選しないことには当分実現しないだろうと考える。 さて、アメリカの政策転換についてはさておき、この本を読んでアメリカに依存している私たち自身について考えてみたいと思う。先週の課題図書でも考えたことだが、アメリカを今のような「帝国」に育てたことに私たちアメリカ外部の人々にも責任がある。ならば、アメリカを帝国から他の諸国と同じような国にするためにはやはり私たちの努力が必要だと思う。そこで私が考えたことは、アメリカに依存しなかったら私たちの生活はどのようなものになるか想像してみることから、今後のアメリカとの付き合い方を模索していくという手段である。もちろんその依存については様々なものがあるが、ここでは特に経済・文化の面から考えてみたいと思う。なお、政治・軍事面についてはゼミ内で考えていこうと思う。 まず、経済面では、巨大な資本をもつアメリカに対抗できる国は皆無といってよい。EUは地域統合機構としてアメリカと競争できる範囲内にあるにしても、やはり優秀な人材はアメリカに集中しているように思える。そこでグローバル化と今の現実も合わせて考えてみると、日本経済だけでなく、世界経済のかなりの部分にアメリカが影響を及ぼしていることがわかる。したがってこの面において、アメリカ依存はもはや避けられないのではないかと思う。もちろんここでいう依存は、一方的に何もかも放棄してアメリカに頼るということではなく、アメリカ経済がなり立たなくなると世界経済も崩壊に向かうという意味での依存である。 そして文化面についてだが、これもグローバル化の波に乗ることによってアメリカの大衆文化がさらに世界に広がっていることがいえる。ハリウッド映画やコカコーラ、ディズニーキャラクター(遊園地なども含む)など個人の好き嫌いこそあるものの、これらのものは大概世界どこに行っても抵抗なく受け入れられている。娯楽という面から見ると、確かにこのような依存はあったとしても、これだけでアメリカを帝国化させてとはいえず、またこのような文化を拒否してみたところでアメリカの帝国性を変えることもできない。しかし、これらの文化には経済もかかわっているのである。たとえばナイキブランドは良く知られているが、その製造のほとんどが発展途上国で、しかも低賃金悪条件労働の下で行われている。したがって文化とはいえ、私たちの依存によって貧富の差がつくられている点もあることは否めない。だが、このことは直ちにアメリカ文化から離れろといっているわけでもない。なぜならば、これらのハリウッド映画やディズニーキャラクターが私たちの生活をさらに豊かにしている面もあるからだ。 このように、ここでは経済と文化という2つの面からアメリカ依存について考えてみたが、アメリカ依存から完全に離れることは不可能であることがわかった。しかしながら、文化面にもあるように、この依存がもたらすマイナス面があることも否めない。この経済と文化の2面に加えて、ゼミ内で考えた政治・軍事面での依存も踏まえたうえで、これからのアメリカとの付き合い方について考えていきたいと思う。
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