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遊牧民から見た世界史 民族も国境もこえて 日経ビジネス人文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 日本経済新聞社/ |
| 発売年月日 | 2003/01/06 |
| JAN | 9784532191610 |

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遊牧民から見た世界史
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商品レビュー
4.1
12件のお客様レビュー
遊牧民という立場から…
遊牧民という立場から世界史を見てみると、学校で習うようなヨーロッパなど主体の世界史感覚とは違ったものが見えてくる。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・筆者は中立的な立場を貫けているのか? 筆者の仮想的は「文明主義」であった。これまで遊牧民はこの「文明主義」的な前提の基、軽蔑の的になってきた。すなわち、これまで文明主義というフィルターを通してしか遊牧民が考えてこられなかったことに問題意識を感じているのである。だからこそ、筆者は遊牧民の歴史的に果たした役割やその文明の高さを再評価しようとした。しかしながら、本書全体を通してであるが、あまりに遊牧民側に立ち過ぎてはいないだろうか。遊牧民が「野蛮」でないこと、またその文明の高さを示すだけにとどまらず、杉山は西欧文化への批判も随所で行っている。むしろ西欧の方が野蛮であるし、後進地域であったと幾度も述べている。しかしながら、その批判はどれも説得力に欠けると思う。例えば、杉山は核兵器の発明を以て西欧は「野蛮」であると断罪する。しかしその時、「野蛮」とはいかなることなのかについての言及はない。実際に核兵器が現代社会においてある種の均衡をもたらしたという考えもあり得るし、むしろ拷問のような残虐な行為を「野蛮」だと感じることもあるだろう。また、資本主義の発展についても、モンゴル帝国が資本主義発展に果たした役割は概ね納得できた。だが、西欧の視点が不十分であると言わざるを得ないし、資本主義とは何かという重大な議論が抜け落ちている。当然、市場経済の発展と資本主義はことなるという考えもありうるはずである。マックス・ウェーバーのように資本主義の発展をある精神 の発展だとみなす考えもあれば、ポランニーのように「万物の商品化 」とみなす論者もいる。自らを中立的な立場とするのであれば、このような西欧の議論も踏まえる必要があったのではないだろうか。それをせずに、西欧の後進性や野蛮性を批判することは、従来の文明主義と本質的にはあまり変わらないと言わざるを得ない。
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詳細にみていくと中国もロシアも遊牧民との関わりが深いのにも関わらず歴史にあまり出てこない感じが。文字で残していない、ということは、自分達の存在を主張できない、ということにつながっているんだろう。
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