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お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 産経新聞ニュースサービス/扶桑社 |
発売年月日 | 2002/06/11 |
JAN | 9784594035938 |
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お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい
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商品レビュー
4.4
9件のお客様レビュー
この本読んで何回も鳥肌が立った。 本書は、重度の脳性マヒで全身不自由だった少年、山田康文―やっちゃんの生涯とその周りの人たち、養護学校について書かれている。 脳性マヒという診断を受けたお母さんのその日の日記に次のような文章がある(pp.28-30)。 (省略) お前をこん...
この本読んで何回も鳥肌が立った。 本書は、重度の脳性マヒで全身不自由だった少年、山田康文―やっちゃんの生涯とその周りの人たち、養護学校について書かれている。 脳性マヒという診断を受けたお母さんのその日の日記に次のような文章がある(pp.28-30)。 (省略) お前をこんなにした おろかな母を恨んでおくれ 許しておくれと すやすや昼寝する 赤い顔に そっと涙を落とす 2.3日前 ソ連が 人間衛星を打ち上げ その生還に成功した 科学はどんどん進んでいくのに お前たちの発育を助ける すばらしい薬は まだどこの国でもできないのだろうか もしできているなら どんなに遠いところまででも お母ちゃんは買いに行くのに (省略) いまでは減ったのかもしれないが、この時代では偏見が多く、やっちゃんをみると「病気がうつる」「悪いことをしたら、あの子みたいになるよ」という人もいた。弟の授業参観にやっちゃんを連れて行くと、「あれが奇生児か」「その子どうしたの」という言葉をかけられる。 1回の食事には2時間かかり、すべて細かく細かく切ってゆっくり食べさせる。 大きくなるにつれてやっちゃんの体重は重くなり、やっちゃんを背負うお母さんは腰痛を患う。 このようないろいろことがあってか、やっちゃんは次のような詩を書く(やっちゃんは書くことができなので、目で合図をして代筆をしてもらう)(p.194)。 ごめんなさいね おかあさん ごめんなさいね おかあさん ぼくが生まれて ごめんなさい ぼくを背負う かあさんの 細いうなじに ぼくは言う ぼくさえ 生まれてなかったら かあさんの しらがもなかったろうね 大きくなった このぼくを 背負って歩く 悲しさも 「かたわの子だね」とふりかえる つめたい視線に 泣くことも ぼくさえ 生まれなかったら この詩は発表会で紹介された。これを聞いたお母さんはただ目頭をおさえて立ち尽くしていた。 そして次の日にお母さんは次のような詩を書く(pp.195-196)。 わたしの息子よ ゆるしてね わたしの息子よ ゆるしてね このかあさんを ゆるしておくれ お前が脳性マヒと知ったとき ああごめんなさいと 泣きました いっぱい いっぱい 泣きました いつまでたっても 歩けない お前を背負って 歩くとき 肩にくいこむ重さより 「歩きたかろうね」と 母心 "重くはない"と聞いている あなたの心が せつなくて わたしの息子よ ありがとう ありがとう 息子よ あなたのすがたを 見守って お母さんは 生きていく 悲しいまでの がんばりと 人をいたわる ほほえみの その笑顔で 生きている 脳性マヒの わが息子 そこに あなたがいるかぎり このお母さんの詩を受け、やっちゃんは後半の詩を書き始めた(pp.196-197)。 ありがとう おかあさん ありがとう おかあさん おかあさんが いるかぎり ぼくは 生きていくのです 脳性マヒを 生きていく やさしさこそが、大切で 悲しさこそが 美しい そんな 人の生き方を 教えてくれた おかあさん おかあさん あなたがそこに いるかぎり この詩を書き終えてやっちゃんは2か月もしない間に、寝ている間に何かのはずみで枕で鼻と口をふさぎ窒息死してしまった。 (まっちー)
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近所に似たような障がいの少年がおり、つい重ね合わせて読んでしまった。今は当時よりずっと環境的に恵まれているが、それでも根本的な問題はまだ残っている。そんな中で、この本に出てくる少年のひたむきさや明るさが、今生きている人々に大きな励みになる。誰にでも読んでほしいなあ。
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1978年に発行されたこの本。描かれている「やっちゃん」をとりまく環境は 今と比べて本当に大変そう。 「かたわがうつる」「「障害児は家の恥」という時代に、重度の脳性マヒの子をかかえ、家業を手伝い、下に2人の子をそだてたやっちゃんのお母さん。 今よりも、世間が冷たく理解がない時代だ...
1978年に発行されたこの本。描かれている「やっちゃん」をとりまく環境は 今と比べて本当に大変そう。 「かたわがうつる」「「障害児は家の恥」という時代に、重度の脳性マヒの子をかかえ、家業を手伝い、下に2人の子をそだてたやっちゃんのお母さん。 今よりも、世間が冷たく理解がない時代だったのに、本当にエライ! 何度も涙しました。 そして、やっちゃんを守り、育てるご家族や学校の先生も、あたたかく すばらしかった…。 体の少しの変化から、いいたいことを汲み取って毎日の学習を進めていく、 担当の先生と子供たちの絆。 いろいろ考えさせられ…。 復刊されたおかげで、この本を読むことができた。 今の福祉制度は、やっちゃんのお母さんたちの活動があったからこそのものなのかも。 たくさんの方に読んでもらいたい本です。
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