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幸せではないが、もういい 『新しいドイツの文学』シリーズ12
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 同学社/ |
発売年月日 | 2002/11/01 |
JAN | 9784810202151 |
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幸せではないが、もういい
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
ハントケ、ノーベル文学賞受賞。厭世的なタイトルのこの本に、こころ惹かれるという意見が散見されていた、ツイッター上で。 母親の自殺から始まり、そこから回想される彼女の人生について。あるひとりの女の一生。言葉は穏やかに闇の中へ失墜していく。
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[出典] https://twitter.com/wtnbt/status/1182255975987761152 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019101001278&g=int
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作者の母が自死した事実を元に執筆した私小説に限りなく近い物語 第二次世界対戦前後のオーストリア 初めて資産を所有した祖父 所有したという意思を持つことを知った祖父の話から始まる この話は自分を所有するという意思を持つことを書いていると思った 個が蔑ろにされ全体に統合されカテゴリー...
作者の母が自死した事実を元に執筆した私小説に限りなく近い物語 第二次世界対戦前後のオーストリア 初めて資産を所有した祖父 所有したという意思を持つことを知った祖父の話から始まる この話は自分を所有するという意思を持つことを書いていると思った 個が蔑ろにされ全体に統合されカテゴリーに分別される 全体への連帯感、安心感だけで生きている時代 自主的思考は認められず虚無感が募る日々 欠乏を埋めるように愛を求める その愛も手からこぼれ落ちた 日々を生きるのが惰性となる もう一度自分を認識したのが書物をいう知識だった しかし、自分を所有することと状況を受け入れることが相反し 矛盾がつのり埋められなくなる孤独 人が孤独を受け入れられないと生きてはいけない 孤独を受け入れることと絶望は同義だろうか そうではない 受け入れがたい状況と絶望と孤独が彼女に命を絶つ力を 与えてしまったのか 言葉を積み重ねても解けない人間 母の自死は母に没入しても理解できないが、 母を考えることを辞めることはできない 母の孤独、絶望はなんだったのか それを人間と置き換え読むことで読み手にも解けない 問を投げかける 母の死と作者の距離が読み手に考えさせる距離として絶妙だった 悲しみとはとても静かで二度と消えないそういうものかもしれない 私はとても複雑で単純な答えを導く人間を少しでも知るためにこの本をまためくるだろう
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