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水の宅急便 浦川聡子句集
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | ふらんす堂/ |
| 発売年月日 | 2002/09/25 |
| JAN | 9784894025103 |
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水の宅急便
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引力の届いてゐたり夏の月 ハモニカに鳴らぬ音ある無月かな 浦川聡子は夜の人である、との思いが句を読む毎に強くなる。陽の光の下ではいつでも眩しそうにしている、月明かりの下でようやく人心地つく。そんな姿の輪郭が少しずつ自分の中で形をなしてくる。 にじみつつ春日沈む薬瓶...
引力の届いてゐたり夏の月 ハモニカに鳴らぬ音ある無月かな 浦川聡子は夜の人である、との思いが句を読む毎に強くなる。陽の光の下ではいつでも眩しそうにしている、月明かりの下でようやく人心地つく。そんな姿の輪郭が少しずつ自分の中で形をなしてくる。 にじみつつ春日沈む薬瓶 螢の夜水溶液の蒼みたる そして、水。浦川聡子が水を詠む時、その句は、彼女の身体の輪郭線を一気に滲ませ、すっと拡散させるように思う。たとえば表面張力の弱い液体を平らな板の上にこぼした時にそれがすうっと広がってゆくように。その液体が揮発しながら広がる先でだんだん薄くなるように、彼女の輪郭も世界に溶け込む。在って不可視、見えないけれど存在する。そんなもののけのような気配に変換してゆく。そして艶めかしく、白い月明かりに照らされた横顔だけが見える。 水深の測られてゐる十三夜 その水嵩の思いがけなさに、無邪気に進めた足が獲られる。そこには、水の深い所には、ぽっかりと開いた狂気の気配がうつぼのように潜んではいはしまいか。たとえば、句集の初めの方に置かれた、一読穏やかな無防備な若さの気配すら聞こえてくる句も、そんな気配を感じた後では、がらりと印象が変化する。 菜の花の黄の極まりて人愛す 「黄」の音が「気」と重なって聞こえる。極まった先には戻れない怖さがある。 一方で、浦川聡子の第一句集に多く登場する音楽のモチーフは、この句集では少し控えめになる。しかし何故かしら音楽の周辺を詠んだ句には芯の強い等身大の女性の姿が、くっきりとした輪郭をもって表れているように思う。 銀の笛吹くくちびるや月の中 寒の地下道突つ切るチェロを横抱きに その印象は第一句集にはなかったものだと思う。音楽の言葉が取られていてもアンニュイな雰囲気と結びつきがちであったかとさえ思う。この句集で目立つのは、むしろそんな動と静の対比。あるいはそれは最初から存在していたものがより大きな差として見えているだけなのか。それが均衡と差し引きされたものでないことを願いたくなるのは、何故だろう。
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