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ポル・ポト 死の監獄S21 クメール・ルージュと大量虐殺
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ポル・ポト 死の監獄S21 クメール・ルージュと大量虐殺

デーヴィッドチャンドラー(著者), 山田寛(訳者)

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ポル・ポト 死の監獄S21 クメール・ルージュと大量虐殺

定価 ¥3,520

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白揚社/
発売年月日 2002/11/15
JAN 9784826990332

ポル・ポト 死の監獄S21

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2022/04/22

歴史学者である著者はS21(ツールスレン監獄)関連資料を精査した上で、なぜここで凄惨な虐待が行われたのかを明らかにしようと試みる。ポルポトによる大量虐殺はナチスによるホロコーストほどには知られていないかもしれないが、ほんの50年前にアジアで起きた事件として私たちも知っておくべき事...

歴史学者である著者はS21(ツールスレン監獄)関連資料を精査した上で、なぜここで凄惨な虐待が行われたのかを明らかにしようと試みる。ポルポトによる大量虐殺はナチスによるホロコーストほどには知られていないかもしれないが、ほんの50年前にアジアで起きた事件として私たちも知っておくべき事は多いだろう。その意味で本書を読む価値は十分にある。 S21からは、囚人や虐待を行った尋問係が残した文書が大量に発見されている。過酷な拷問を受けた囚人たちは、「反革命」的な自らの罪を告白し、さらに組織に対する裏切り者の名を告発する。この告発が明かした「組織の敵」が次の囚人となる。中世の魔女裁判と同じように、次々と明かされた敵は自白後に殺されていく。 ポル・ポトを中心とする「組織」は、至る所に潜む「敵」による絶え間ない「犯罪」を現実の危機として見ていた。しかし、「囚人たちの隠された「犯罪」の多くは、彼らを告発している者たちの心の中でだけ起きたものだった。」そして、S21の尋問係は、「党の判断が正しかったと確認する」ために、拷問によって自白を引き出した。拷問によって自白を引き出すことと、フロイトの精神分析が患者から「真実」を引き出すことの類似性を著者が指摘しているのは興味深い。 本書の大部分はそれらの文書に基づいて、S21で何が行われていたのかを明かしている。こうした重要性にもかかわらず、本書には物足りなを感じる。 理由の1つは、S21からの生還者がほとんどいないせいで、文書の信憑性には疑問符が付くからである。尋問係の心中を示す記録もほとんど無い。組織の上層部が見る事を想定して書かれた記録がどの程度、真実を映し出しているのかは判断が難しい。 現場で残虐な行為が行われた事実の説明としては、尋問係が囚人を非人間化することで感覚を麻痺させていったこと、上層部からの承認があることで自身が責任を感じずに済んだこと、そして残虐な行為を躊躇すれば明日は我が身だという自覚があったこと、などの点を著者は指摘している。しかし、スタンレー・ミルグラムの『服従の心理』以降、特に新しい知見とは言えない。ポル・ポトの民主カンボジア時代の特異性として、(ベトナム人に対する憎悪といった)「人種問題」を挙げているが、歴史的に見てこの時代に特有の原因とは言えないようにも思える。もう少し踏み込んだ分析が欲しいところだ。

Posted by ブクログ

2007/03/07

S21とは、現在虐殺博物館になっているプノンペンのトゥール・スレン。もと中学校で、ポル・ポト時代に刑務所として使用された場所。収容された1万4000人の中、生還者はたったの7人という、地獄の過去を持つ建物です。 そのトゥール・スレンで起きた悪夢を中心に、ポル・ポト時代の負の遺産...

S21とは、現在虐殺博物館になっているプノンペンのトゥール・スレン。もと中学校で、ポル・ポト時代に刑務所として使用された場所。収容された1万4000人の中、生還者はたったの7人という、地獄の過去を持つ建物です。 そのトゥール・スレンで起きた悪夢を中心に、ポル・ポト時代の負の遺産を詳細にたどる恐ろしく内容の濃い、また重い一冊です。生存者をはじめ、トゥール・スレンに関わった人々からの声や膨大な報告書をもとに、人間の心の闇を捉えていきます。カンボジアに関わる人にとって、避けては通れない本でしょう。

Posted by ブクログ

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