方法の実験 全集 現代文学の発見第2巻

佐藤春夫(著者), 大岡昇平(編者), 平野謙(編者), 埴谷雄高(編者), 花田清輝(編者), 佐々木基一(編者)

• 内容紹介: 内容:冥途 内田百間著. 旅順入城式 内田百間著. F・O・U 佐藤春夫著. 蠅 横光利一著. 静かなる羅列 横光利一著. 時間 横光利一著. 水晶幻想 川端康成著. 猫町 萩原朔太郎著. ゼーロン 牧野信一著. ルウベンスの偽画 堀辰雄著. 空想家とシナリオ 中野重治著. 幽鬼の街 伊藤整著. 鷹 石川淳著. 虚空 埴谷雄高著. 月見座頭 神西清著. 赤い繭 安部公房著. 飛ぶ男 福永武彦著. 地の群れ 井上光晴著. 大秘事 花田清輝著. 解説:解体か、新しいリアリティの発見か 佐々木基一著
• 販売会社／発売会社: 學藝書林/
• 発売年月日: 2002/11/27
• JAN: 9784875170600

商品レビュー

2022/07/12

シリーズ全部16巻＋別巻。大正末～昭和初期にかけて、大量に西洋文学が入り、新しい文学とは何かという方法に悪銭苦闘した作品を集めた。事柄を書くことから人間の内面を書くことにシフトし、夢うつつといった幻想的な作品も多々。SF的あらすじの突飛さ、展開の早さが人気の現代では、時間の経過が遅く描写が精密すぎて退屈するものもあった。しかし 、作者それぞれ内面、特に疎外感や孤独、一喜一憂、そして静かに見てしまった「向側の世界」をこれ以上ないぐらい精密に書いており、悟りを得た禅僧の話より面白い…かもしれないと思った。