マネキン 美しい人体の物語

欠田誠(著者)

• 販売会社／発売会社: 晶文社
• 発売年月日: 2002/10/10
• JAN: 9784794965424

商品レビュー

2019/02/04

筆者はマネキンの制作者。かつてはマネキンを専門に扱う会社に勤め、デザインを担当していた。
その作者が日本におけるマネキンの歴史や、当事者として自身の作成したマネキンの製作裏話的な物語を語る。
西洋から入ってきたマネキンだが、マネキンをお店が買い取る西洋と、レンタル式の日本という制度の違いや、腕、手の形状などが非常にアクティブな西洋のマネキンに比べ、日本のマネキンは落ち着いた表現に乏しいマネキンが多いなどの特徴についても初めて知った。
また人間から実際に型取りして製作するマネキンについて、岡本太郎氏が生前全身の型取りをしてマネキンを作った話が出てくる。このマネキンを高校生くらいの時に岡本太郎氏の個展（？）か何かで見たことがある。入り口を入っていきなり本人そっくりのマネキンが立っていて、ギョッとした。

2011/05/15

20110515読了。
マネキン制作家、欠田誠の自伝を通したマネキンについての話。

日本のマネキン市場は海外と異なり、レンタルシステムで成り立っている。
そのため、海外に比べ丈夫に壊れにくく、軽く、使いやすくメンテしやすい。
品質としても日本のマネキンの評価は高い。
しかし、マネキンを使ったディスプレイになると、後ろ向きに使って効果のあるマネキンは日本には少ないそう。

2005/06/02

この本はマネキン作家がかきあげたもので製作現場の話やマネキンの歴史、有名なマネキン作家やマネキンの種類、ウィンドウ・ディスプレイの変遷などが詳しく書かれている。
思えば、当然のことだけど、彫刻などはそのままで作品となり、
マネキンは服を着て完成する美が要求される。
当然だけど、そう思うと、マネキンの造型は、ただ、完璧なボディを作り上げればよいというだけのものでもないらしい。
服を着て素敵に見えるように、体躯、四肢、目や口元まで表現が必要なのである。
この作者は日本でのマネキン製作だけでなくサンローランやシャネルのマネキンも手がけていたらしい。