幸田露伴の語録に学ぶ自己修養法

渡部昇(著者)

• 販売会社／発売会社: 致知出版社
• 発売年月日: 2002/10/30
• JAN: 9784884746339

商品レビュー

2010/05/22

本書は、「私が理解したところの露伴をわかりやすい言葉で、なるべく多くの読者に伝えたい」という著者の思いによって生まれた。その方法として「緻密な翻訳といった世界から離れて、露伴の言葉の中から私が気に入ったものを選び、その真意が伝わるように前後の物語などは適度に割愛しながら私流に訳し、そこに現代的な例をつけ加えるような形にして紹介する」という手法が取られている。著者自身が「座右において、何度読んでも裏切られることがなかった」と言い切る露伴の言葉を、こういった手法をとることにより、「そのほうがむしろ、露伴の意に沿えるのではないかという考えに至った」とのこと。つまり、本書には露伴のｴｯｾﾝｽが詰まっていると言えます。実際、その内容は人間形成において非常に有効な教えや指摘に彩られており、個人的には、しばらくは常に携帯しながら折に触れて何度も読み返したいと感じています。著者は本書を以下の言葉で締めくくっています。「修養こそがこれからの未来に向けて一番新しい考え方になりうる」

2008/04/21

―最終的に成功した人というのは、何か失敗したとしても、
　人のせいにするよりは「自分がこうしたならば」と考える人なのである。

―「私の人生における根本はなんなのか」という問いを常に自分に投げ掛け、探し続け、
　その答えを発見できた人は、後悔のない人生を送る権利を手にしたといってもいい。

幸運にめぐり合った時に、それを使い尽くさず一部を返すような気持ちで居る心掛けの惜福。
自分の福を自らがすべて使うのではなく、いくらかを他人に分ける心掛けの分福。

単純で簡単なことのようでいて。実践するのはとっても難しい。　
特別なことではない。普通のこと。だけどそれが一番難しい。

努力の仕方を知らなかった私に、努力する方法を教えてくれた一冊。

これからを生きる人に最も必要な力は、何なのか。

歴史的背景や伝統も踏まえ、
心に響く露伴のことばをわかりやすく解説してくれる。