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読者よ欺かるるなかれ
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読者よ欺かるるなかれ
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商品レビュー
3.8
14件のお客様レビュー
所々に推理にあたって…
所々に推理にあたっての読者への注意が書かれています。トリックはある短編でも使われていたものでそちらを先に読んだらガッカリするかもしれません。
文庫OFF
読心術師の予言どおり…
読心術師の予言どおりに死んだ主人。いったいどうして・・・?
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
思念で人を殺せると自称する男を登場させ、遠隔殺人を扱った本書。この作品はカーの最たる特徴であるオカルティズムが十分に堪能できる作品である。 とにかく読心術が出来、思念で人を殺せると主張するペニイクなる人物が縦横無尽に物語を駆け巡り、あのHM卿でさえも翻弄され、思念で人を殺していると半ば信じるほどだ。 そして同一時間に離れた場所に出現し、殺人を犯すという設定で当然考えるのは双子のトリックだが、嬉しい事にその脱力感を与えられる真相は今回は避けられていた。 しかしその代わり―というのは適切ではないかもしれないが―のトリック(もう1人がペニイクのマスクを被る)はちょっとがっかりかも。外の窓に浮かび上がるぐらい近いのだから、ばれてしまうと思うのだが。 物語、事象が裏返る手法はカー作品の特徴でもあるが、今回もそれが十分に発揮できている。 とにかくこの作家はダブル・ミーニングの投げ方が巧い。最初読む話では全く自然の流れであった表現が真相を与えられるに当たって全く意味の違う意味に変わってしまう切れ味は健在である。 そしてこの読者への挑戦状ともいうべき題名。原題は“The Reader Is Warned”つまり文中の訳文を引用するのなら『読者に一度警告する次第である』となるが、この表現が随所に出てきて、挑戦意欲を駆り立てる。 とはいえ、この真相は、解らんでしょう! 死者が一時蘇生するという真相は推理で当てるのは専門知識を要するので一般読者が当てるのは無理があると思うが、個人的にはこういうサプライズは大歓迎。セイヤーズ作品を読んでいるみたいだった。 しかし第1の殺人の真相が非常に面白いのに対し、第2の殺人の真相がその亜流でしかもちょっと無理があるだろうと思わされるものだったのが残念。ちょっと綱渡りしすぎた。
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