1,800円以上の注文で送料無料

読者よ欺かるるなかれ の商品レビュー

3.8

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

所々に推理にあたって…

所々に推理にあたっての読者への注意が書かれています。トリックはある短編でも使われていたものでそちらを先に読んだらガッカリするかもしれません。

文庫OFF

読心術師の予言どおり…

読心術師の予言どおりに死んだ主人。いったいどうして・・・?

文庫OFF

2023/04/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思念で人を殺せると自称する男を登場させ、遠隔殺人を扱った本書。この作品はカーの最たる特徴であるオカルティズムが十分に堪能できる作品である。 とにかく読心術が出来、思念で人を殺せると主張するペニイクなる人物が縦横無尽に物語を駆け巡り、あのHM卿でさえも翻弄され、思念で人を殺していると半ば信じるほどだ。 そして同一時間に離れた場所に出現し、殺人を犯すという設定で当然考えるのは双子のトリックだが、嬉しい事にその脱力感を与えられる真相は今回は避けられていた。 しかしその代わり―というのは適切ではないかもしれないが―のトリック(もう1人がペニイクのマスクを被る)はちょっとがっかりかも。外の窓に浮かび上がるぐらい近いのだから、ばれてしまうと思うのだが。 物語、事象が裏返る手法はカー作品の特徴でもあるが、今回もそれが十分に発揮できている。 とにかくこの作家はダブル・ミーニングの投げ方が巧い。最初読む話では全く自然の流れであった表現が真相を与えられるに当たって全く意味の違う意味に変わってしまう切れ味は健在である。 そしてこの読者への挑戦状ともいうべき題名。原題は“The Reader Is Warned”つまり文中の訳文を引用するのなら『読者に一度警告する次第である』となるが、この表現が随所に出てきて、挑戦意欲を駆り立てる。 とはいえ、この真相は、解らんでしょう! 死者が一時蘇生するという真相は推理で当てるのは専門知識を要するので一般読者が当てるのは無理があると思うが、個人的にはこういうサプライズは大歓迎。セイヤーズ作品を読んでいるみたいだった。 しかし第1の殺人の真相が非常に面白いのに対し、第2の殺人の真相がその亜流でしかもちょっと無理があるだろうと思わされるものだったのが残念。ちょっと綱渡りしすぎた。

Posted byブクログ

2016/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

犯人の長台詞で犯行が明らかになるのはミステリとして薄味になるものだが、カー=カーター・ディクスンなら許す。出来不出来の激しい作家だが、これはAクラス。

Posted byブクログ

2013/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あら、これ、続き物なんですね。 初のディクスン・カー。 舞台装置の設定が面白いですね、 殺人の予告があり、超能力で人が死んでいくとは。 すいすい読めます。 ただし、トリックは・・うーん・・ 謎解きを楽しんでいく種類の推理物とは違う気がします。 私はクイーンが好きなのですが、この小説だと 「あっ、そうだったんですかあ・・・」という感想で限界。 トリックがべつだんすぐれているというわけではないんですよね。 ただ「超能力を持っていると自称する人間の裏で殺人をする」という着想は面白い気がします。 現実にありそう、という意味で。 カーはもう一作くらい読んでみてから判断したいところ。

Posted byブクログ

2012/11/12

 H・M卿モノ。  あの死に際の状況は、正直あまり納得できない。やや、苦しいのでは、と珍しく思ってしまった。他の部分は面白く、さくさく読めた。

Posted byブクログ

2012/09/08

念力で殺人、しかも予告します。 面白かったです。 H・Mは直接の褒め言葉に弱いんですね。 かわいらしいところもあるんだなと思いました。

Posted byブクログ

2012/06/07

一年くらい前に、古本屋で買った本。そして、何故か今の今まで読まないままにクローゼットに積んであった本でもある。  夫の「死に際」の状況とかは強引じゃないか、とか思う。 でも、予想以上に面白かった。

Posted byブクログ

2012/03/20

念力により人が殺せると豪語する読心術師。屋敷の主人、妻…と予言通りに人が死んでいく。はたしてこの『念力による死』は本物なのか? で、見事に欺かれました。トリックはネタ的にアレなところはありますが、各キャラの動きや犯人の動機、何よりH・M卿の犯人を追い詰める作戦、その根底にある探...

念力により人が殺せると豪語する読心術師。屋敷の主人、妻…と予言通りに人が死んでいく。はたしてこの『念力による死』は本物なのか? で、見事に欺かれました。トリックはネタ的にアレなところはありますが、各キャラの動きや犯人の動機、何よりH・M卿の犯人を追い詰める作戦、その根底にある探偵側としての動機に痺れました。 カーの中ではベストじゃないけど、そこそこ楽しめる作品でした。

Posted byブクログ

2010/08/22

 テレパシーで人を殺す話である。特殊な能力を持つと自称する男が、この時間にこの人を殺すと予言し、その時間に実際にその人が死ぬ。予言者には完璧なアリバイがあり、被害者はまったく外傷がなく毒殺でもない。大したもんだ、これを最後で鮮やかに説明するのだから。  カーター・ディクスン(ディ...

 テレパシーで人を殺す話である。特殊な能力を持つと自称する男が、この時間にこの人を殺すと予言し、その時間に実際にその人が死ぬ。予言者には完璧なアリバイがあり、被害者はまったく外傷がなく毒殺でもない。大したもんだ、これを最後で鮮やかに説明するのだから。  カーター・ディクスン(ディクスン・カー)の作品は、トリッキーな謎が飛び出してきて、そいつをどうやって合理的に解決してくれるのだろうとわくわくしながら読むのだが、実は最後まで読んでも、何がなんだかわからずに終わってしまうことがけっこう多い。が、この本は、最後で「なるほどこの手があったか」と納得してしまった。よくできてる。面白かった。  また、トリックなどもなかなかいいのだが、物語の進み方もなかなかいい。伏線のちりばめ方なども含め、楽しかった。最後の解決のために書いているって印象ではなくて、途中途中がハラハラしながら楽しめた。いいミステリだった。

Posted byブクログ