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物語 スペインの歴史 海洋帝国の黄金時代 中公新書
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物語 スペインの歴史 海洋帝国の黄金時代 中公新書

岩根圀和(著者)

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物語 スペインの歴史 海洋帝国の黄金時代 中公新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社/
発売年月日 2002/04/25
JAN 9784121016355

物語 スペインの歴史

¥330

商品レビュー

3.8

25件のお客様レビュー

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2010/05/28

 かなり偏りのある構…

 かなり偏りのある構成だが、メインを飾るレパントの海戦の描写は実に詳しく、海の覇者オスマン・トルコの海軍と、キリスト教連合軍のそれぞれの配置など、図解入りの説明で、おもしろい。セルバンテスの波乱万丈で、しかも当時のスペイン世界のあり方をそのまま反映しているような人生も、興味深く、...

 かなり偏りのある構成だが、メインを飾るレパントの海戦の描写は実に詳しく、海の覇者オスマン・トルコの海軍と、キリスト教連合軍のそれぞれの配置など、図解入りの説明で、おもしろい。セルバンテスの波乱万丈で、しかも当時のスペイン世界のあり方をそのまま反映しているような人生も、興味深く、概略的な歴史の把握を期待しなければ、この辺はかなり楽しめます。

文庫OFF

2023/01/15

「物語スペインの歴史」岩根圀和。中公新書2002。 大学の先生(外国語学部だそうですが)が書いたものです。 「キャパの十字架」を楽しむための準備運動の一環です。 ・北アフリカのイスラム圏と、ローマからのキリスト教文化とのせめぎ合いの地であり、完全にイスラム圏だった時代も長くあっ...

「物語スペインの歴史」岩根圀和。中公新書2002。 大学の先生(外国語学部だそうですが)が書いたものです。 「キャパの十字架」を楽しむための準備運動の一環です。 ・北アフリカのイスラム圏と、ローマからのキリスト教文化とのせめぎ合いの地であり、完全にイスラム圏だった時代も長くあったこと、そして決して悪政でもなかったことが良く分かった。 ・レコンキスタ(キリスト教側の国土回復)に1400年代までかかった。800年くらいからずっとせめぎあいで、その間は普通に国王制の国家を中心とした群雄割拠。 ・レコンキスタ終盤くらいからは欧州各地と同じ、各地血縁の王政。スペインのステイタス向上にはコロンブス含めて「アメリカ大陸の発見とそこでの言葉も失うほどの非人間的な虐殺と搾取」があった。 ・でも結局欧州中心で言えば「田舎風」だったんだなと思うのは、無敵艦隊の儚い栄光があったとしても、中心の動きからは「辺境」だった。たとえばプロテスタント、宗教改革というのは入ってこなかった。 ・多分それはそれ以前に「イスラム」を異端とする残酷非道な異端審問が行われていて、その流れの中でいわば新教の侵略を早めに阻止したと言えるか。それとも辺境で新大陸からの搾取に依存しすぎて産業革命への転換が遅れたからか。 ・だから同じく辺境だったイギリスの台頭とともに衰えた感。オランダ植民地も失う。これが無敵艦隊の敗退とセット。エリザベス1世の時代。1558-1603。この時代がセルバンテス。 ・王政が続くが国外の植民地と影響力を立て続けに失ってフランスに追随する時代。そしてナポレオンの征服で「革命の輸出」に洗われて、ナポレオン後は王政復古するも共和制とのせめぎあい。 ・20世紀に入ると悲惨が続く。第1次世界大戦~ロシア革命を経て、軍人のクーデターで混乱時代に突入。1930年くらいに無血革命で第二次共和制となるが、軍部右翼(というか反共資本主義勢力)と共産主義勢力の狭間で混乱、世界恐慌の中、軍人フランコが反共勢力を結集して挙兵、ナチスの支持も受けて「スペイン内戦」の結果、1970年代まで続く独裁政治。 ・フランコの死後一瞬王政復古するも、王家が分かっていて民主制にようやく移行して今にいたる。 というような流れがまさに物語として大筋頭に入った感じです。自分にとっては良書でした。

Posted by ブクログ

2021/02/19

スペインの歴史の中でもイスラム、レコンキスタ、レパント海戦、無敵艦隊、スペイン内戦という主要な事件に限って語った本書。他の読んだことのある物語シリーズと比較して、物語色の極めて強い本であろう。歴史を網羅的に描こうというよりも、特徴的な事柄をまるでそこにいるかのような臨場感で描いて...

スペインの歴史の中でもイスラム、レコンキスタ、レパント海戦、無敵艦隊、スペイン内戦という主要な事件に限って語った本書。他の読んだことのある物語シリーズと比較して、物語色の極めて強い本であろう。歴史を網羅的に描こうというよりも、特徴的な事柄をまるでそこにいるかのような臨場感で描いている。読み終わった今、まだイギリスを追われて失意のままにスペインに戻る無敵艦隊の1兵士であるかのような錯覚に嵌っている。歴史書として評価は人それぞれだろうが、個人的にはとても面白い文学作品であった。出てくる漢字や熟語が少し難しいのも人を選ぶかもしれない。

Posted by ブクログ