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女性学・男性学 ジェンダー論入門 有斐閣アルマ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 有斐閣/ |
発売年月日 | 2002/01/30 |
JAN | 9784641121416 |
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3件のお客様レビュー
これよりもっと読むべき本はあるし、ジェンダー論の導入本として、理論的にも運動的にも良いとは思えない。 筆者の一人である伊藤公雄の中には、恐らく「男性性的なるもの」「女性性的なるもの」が色濃く残っている。 恐らく、「例えそうだとしても、それを押し付けずに個人の自由を保障すれば良い...
これよりもっと読むべき本はあるし、ジェンダー論の導入本として、理論的にも運動的にも良いとは思えない。 筆者の一人である伊藤公雄の中には、恐らく「男性性的なるもの」「女性性的なるもの」が色濃く残っている。 恐らく、「例えそうだとしても、それを押し付けずに個人の自由を保障すれば良いのだ」と返答されそうだが、一方で加藤周一は「男/女らしさというのは、事実に偽装した規範だ」という。 「男らしい」女として生きるか、「女らしい」女として生きるかは自由だという伊藤は、この加藤の言葉をどう受け止めるのか。問題は、まさにこの「らしさ」の暴力性であり、鍵括弧付きとは言え、「男/女らしさ」を規定するのはジェンダー論者としてどうなのか。 端的に、「バリバリ働く女性(男性)」も「専業主婦になる女性(男性)」も、多様に同程度認められるべきだ、というのであればわかる。しかし、一方のイメージに男性性を付与し、他方に女性性を当てはめる。これは、ただのステレオタイプの再生産ではないのか。 実証的な記述も怪しい。本書p.223には、少子化の影響により子供の仲間集団の在り方が変わった、というような話があるのだが、そこで 「かつてのような異世代によって構成はれた仲間集団は姿を消し、クラス単位、せいぜい学年輪切りの、人数からいって1〜2人くらいの遊び仲間がいるといったケースがほとんどではないだろうか。」 という記述がある。 この箇所が、2011年の改訂版では「2〜3人」と変わっていた。 もし自分が書いていて、ここの部分を訂正するとしたらどういう理由によってだろうか。 確かに細かい話かもしれないが、データも示されず、「まあそうかもしれないね」くらいのレベルの話をされて、改訂版では何となくの印象で数字を変えるというのは、入門書とはいえ乱暴ではないのか。 他にも、離婚調停に関する話題で、本書には記載があった「離婚調停の申し立て理由」のデータが、改訂版では丸ごと削除されていた。 比較した感想では、恐らくこのデータで示されていることが、本文の記述と上手く接合しないと判断したからではないかと感じた。 決して矛盾をきたすレベルではないため、「データの説明が面倒だ」というのであれば良いのだが、なんとも勘繰ってしまう。 加藤周一の「ジェンダー入門」にまったく感じなかった種類の嫌悪感を持ち、それは自分がジェンダー意識にどっぷり浸かってるところを露呈させられたからだというご批判はあり得る。 しかし、伊藤の持つ「男/女らしさ」をベースに、この社会の諸問題に性別性(男性的)を付与することで、極めて女性的な来るべき社会(「持続可能な開発」)に適合する性として、女性の社会進出の正統性を措定するのは、アファーマティブアクションなどというレベルではなく、端的に逆差別(ジェンダー論批判の文脈でこの言葉を使うのは難しいね)であり、男性はもちろん、女性も何の規範からも解消されない。 まあとにかく、もっと良い本はあるし、加藤周一「知らないと恥ずかしい ジェンダー入門」や、ジェンダー法の本の方が良いと思います。
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科学の発展の根底に男性の論理があるという第2章のコラムの指摘や、現代の世界が優越・所有・権力・効率を求める男性のこだわりによって作られたものだという第8章の最後の指摘に頭をガツンとやられました。確かに、女性が正当に社会に参画していたならばもっと違ったものになったかも。
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ジェンダー論については、思想として受け容れるか否かは別として、知っていて損はないと思うのでご紹介しておきます。
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