百万年のすれちがい

デイヴィッドハドル(著者), 岡田葉子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 早川書房/
• 発売年月日: 2002/01/31
• JAN: 9784152083937

商品レビュー

2012/01/17

マーシーとアレン、ユタとジミー。大学時代からの付き合いの二組の夫婦。各章で話し手が交代し、それぞれの視点から周囲の人間を語る。
連作短編集のような形になっているが、それもその筈で、元々は最初の「「"未来"から見れば」だけを短編として発表し、そこから膨らませてできた作品らしい。
どの登場人物も印象的だが、誰が主人公かと言うとマーシーになるんだろう。
「大人の恋愛小説」という触れ込みだが、その言葉には違和感を覚えた。勿論男女の間のことも主題のひとつではあるだろうが、本筋はそれだけではないと思う。
読み終えた後、真っ先に思い浮かんだのは「孤独」という言葉だった。
人は結局自分の感覚を通じてしか物事に触れることができない。周囲の人間の気持ちを推し量ることはできても、本当の意味で実感することはないのだ。それがどんなに自分に近い人間であっても。誰か他人のことを「完全に理解している」なんて思うのは、不遜極まりないことなのだろう。
それは寂しいことだが、一方では誰にも分からない自分だけの秘密を持ちうるというのは、ほっとすることでもある。永遠に分からないからこそ幸せなこともある。
それぞれの登場人物達が語る物語に食い違いがあっても、それぞれにとっては語った物語が「真実」なのだろうな。
作中でいくつか出てくる挿話の中では、ピアノに関するものが特に好きだ。
とても気に入ったので、同作家の著書で他に訳されているものがあれば読んでみたいが、なさそうなのが残念。

2010/09/30

２組の夫婦　４人それぞれの思いが綴られているほぼ幼馴染の４人だからそれぞれ子供時代からの思い出とか中年になった今現在の気持ちとかはばかりなく吐露しているけどちょいちょい食い違っている（もしくは思い込み）ところもありリアルな感じがしたどっちが本当なのかわからないけど実際　こういうことは多々あるんだろうなぁなんというか　良くも悪くも海外小説という印象・・・それにしても　カバーのダサいことよ