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タイムトラベルの哲学 「なぜ今だけが存在するのか」「過去の自分を殺せるか」 講談社SOPHIA BOOKS
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2002/01/15 |
JAN | 9784062691635 |
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タイムトラベルの哲学
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商品レビュー
4
8件のお客様レビュー
タイムトラベルを題材に、「タイムトラベルの理解可能性」「なぜ今だけが存在するのか」といった時間に関する哲学的な興味深い議論が展開されているが、正直自分のレベルでは、半分も、どういうことを言っているのかの理解ができなかった。
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この本は過小評価されていると思う。 『タイムトラベルの哲学』というSFチックなタイトルから、あるいはかわいらしい表紙および挿絵や、ソフトカバーという体裁などから侮ってはいけない。本書は正真正銘の哲学書であり、哲学初心者から哲学ファンまでをも納得させる優れた時間論入門である。 ...
この本は過小評価されていると思う。 『タイムトラベルの哲学』というSFチックなタイトルから、あるいはかわいらしい表紙および挿絵や、ソフトカバーという体裁などから侮ってはいけない。本書は正真正銘の哲学書であり、哲学初心者から哲学ファンまでをも納得させる優れた時間論入門である。 タイムトラベルとは何か。タイムトラベルの実現可能性以前に、まずこの問題から問われなければならない(というより実現可能性については本書では論じられていない)。その問いは当然「時間とは何か」という問いへと掘り下げられてゆく。透明な文体で語られるその論述はクリアであり、読者を全く選ばない。 とりわけ八章の「アキレスと亀の遺産」は、日本哲学界の大御所野矢茂樹が、その応答論文(『他者の声 実在の声』所収)を『思想』に書かずにはいられなかったほどであった。「時間軸が運動によって伸縮するこの設定においては、アキレスは亀に追いつく必要はない」という青山の説明は、このパラドックスを論じた他のどの論文よりも分かりやすく説得力があるように思われる。 本書が発売されたとき、著者の青山は弱冠二十六歳の大学院生であった。冒頭の永井との対談では「哲学歴三年」などとうそぶいている。半信半疑で読み始めたものだったが、本を閉じる頃には著者の哲学的才能および本書の哲学的意義を確信していた。アウグスティヌスの問いに応えた最後の二行には感動すら覚えた。
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丁寧に考察しているところがいいところだと思う。 文体に、とげとげしい印象を受けるところもあるが、それを含めても良書であったと思う。 永井さんと青山さんの違いは見えにくい。というのも、お互いに影響を与え受けているからだろう。強いて言えば、永井さんが「私」から出発しているのに対し...
丁寧に考察しているところがいいところだと思う。 文体に、とげとげしい印象を受けるところもあるが、それを含めても良書であったと思う。 永井さんと青山さんの違いは見えにくい。というのも、お互いに影響を与え受けているからだろう。強いて言えば、永井さんが「私」から出発しているのに対して、青山拓央さんは「今」から出発しているところにあるのかもしれない。 この本の一番のテーマではないかもしれないが、レコードの例が気になった。完結した世界がレコードであり、それを外部から神の視点で見るという形の議論があったと思うが、その神が住まう場所もまた世界であるとしたらどうなるのだろう。 それから、今の位置に針をさす順番をデタラメにしても我々は少しもわからないというのも、妙な話だと思った。私にはわかるのではないだろうか。永井さんなら、端的な今という言葉で表現して、私の今が分かると思うかもしれない。 青山さんの場合、そのレコードは無時制であるようにも思える。なんだか回転していないレコードを思い浮かべてしまう。どこも均等に存在を主張していることがこの問題を問題にしている。 大化の改新が645年に繰り返し行われ、関ヶ原合戦が1600年に繰り返し行われ、そして新元号発表が2019年に繰り返し行われ、というように変な設定である。 でも、タイムトラベルというのは、ただの西暦の違いだけではないはずだ。内容が伴われないと、意味がないはずだ。でも、どうして内容が伴わないと、ダメなのか。ずっと変化のない宇宙に住んでいたとしたら、タイムトラベルは魅力的でないだろう。 その真逆で、何の脈絡もなく、ずっと変化してばかりの宇宙でも、タイムトラベルの意味がわからないはずだ。すでに、タイムトラベルができているからだ。でも、これがいいのだ。問題点としては、自由意志で行けないところだろう。それに、日常の時間推移もある意味でタイムトラベルと考えてしまえそうである。 まだわからないことだらけだ。でも、それが面白いのかもしれない。
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