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日本文化の模倣と創造 オリジナリティとは何か 角川選書341
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 2002/06/30 |
JAN | 9784047033412 |
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日本文化の模倣と創造
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日本文化の模倣と創造
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『日本文化の模倣と創造』は、山田奨治が日本文化の本質的な特徴を「模倣」という視点から読み解いた画期的な研究です。一般に日本文化は「独自性」や「伝統」という観点から語られがちですが、本書は「模倣からの創造」という新しい視点を提示することで、日本文化の形成過程をより動態的に描き出すこ...
『日本文化の模倣と創造』は、山田奨治が日本文化の本質的な特徴を「模倣」という視点から読み解いた画期的な研究です。一般に日本文化は「独自性」や「伝統」という観点から語られがちですが、本書は「模倣からの創造」という新しい視点を提示することで、日本文化の形成過程をより動態的に描き出すことに成功しています。 山田の議論の出発点となっているのは、日本文化における「模倣」の積極的な意味の再評価です。例えば、書道の学習過程を考えてみましょう。学習者は最初、手本を徹底的に模倣することから始めます。しかし、この模倣の過程は単なる機械的な複製ではありません。手本との格闘を通じて、次第に自分の個性が生まれてくるのです。山田は、この「模倣を通じての創造」という過程が、日本文化の様々な領域で見られることを指摘します。 本書で特に興味深いのは、具体的な事例研究です。例えば、江戸時代の浮世絵における西洋透視図法の受容過程が詳しく分析されます。浮世絵師たちは西洋画法を模倣しながらも、それを日本的な美意識に合わせて変容させていきました。この過程で生まれた独特の空間表現は、逆に後の西洋美術に大きな影響を与えることになります。このような「創造的な模倣」のサイクルが、日本文化の特徴の一つだと山田は指摘します。 また、山田は「型」の文化についても新しい解釈を提示します。茶道や能などの伝統芸能では、「型」の習得が重視されます。一見すると、これは単なる伝統の保守的な継承のように見えます。しかし山田によれば、「型」の習得過程には常に微細な変化や創造的な解釈が含まれているのです。それは、完全な複製が不可能であるという事実に基づく、必然的な創造のプロセスとして理解できます。 本書の現代的な意義として重要なのは、グローバル化時代における文化の創造性について示唆を与えている点です。今日、文化の「純粋性」や「独自性」を主張することは難しくなっています。しかし山田の研究は、むしろ異文化との出会いと模倣の過程こそが、新しい文化創造の源泉となりうることを示しているのです。 山田の分析で印象的なのは、「模倣」と「創造」を対立的に捉えないアプローチです。例えば、明治期の日本が西洋文化を急速に受容した過程も、単なる「西洋化」としてではなく、創造的な文化変容の過程として描き出されます。それは、伝統文化の否定でも盲目的な模倣でもない、新しい文化創造の過程だったというのです。 本書は、文化研究の方法論についても重要な示唆を与えています。文化を静態的な「伝統」としてではなく、動態的な変容と創造の過程として捉える視点は、現代の文化研究にとって極めて重要です。特に、グローバル化による文化の混交が進む現代において、この視点は一層の重要性を増しているといえるでしょう。 この本が投げかける問いは、文化の「真正性」や「独自性」とは何かという根本的な問題にも及びます。完全なオリジナリティなど存在しないかもしれません。しかし、それは文化の創造性を否定するものではなく、むしろ異なる文化との出会いと模倣の中から、新しい創造が生まれる可能性を示唆しているのです。
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著作権を日本の文化から考える視点を与える本である。著作権について考える際には必読であろう。 ドラえもんが世界的になった反面、サザエさんが日本でしか通用しないことは、サザエさんが著作権の管理が厳しい、ということが説明されていた。これは他の本では、ましてやメディアリテラシーの本では...
著作権を日本の文化から考える視点を与える本である。著作権について考える際には必読であろう。 ドラえもんが世界的になった反面、サザエさんが日本でしか通用しないことは、サザエさんが著作権の管理が厳しい、ということが説明されていた。これは他の本では、ましてやメディアリテラシーの本では全く触れられていないことである。 メディアリテラシーでの創造と関連することなので、メディア・リテラシーを学ぶ際にはこの本を読んでおくことが必要となるであろう。 ひとりでこれだけの歴史的な事実を調べることは大変なことであり、この本を参考文献として利用して卒論を書いた方がいいであろう。
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江戸期の見立て絵の解読の参考にするために読み始めたが、そちらの情報もさることながら、著作権のあり方が実は帝国主義との関係が強いことなどに気づかされた。 確かに独創性というのはかなりあやふやな概念で、芸術が 本来立脚する「技術」の伝承性を考えると模倣と創造は必ずしも対立概念ではない...
江戸期の見立て絵の解読の参考にするために読み始めたが、そちらの情報もさることながら、著作権のあり方が実は帝国主義との関係が強いことなどに気づかされた。 確かに独創性というのはかなりあやふやな概念で、芸術が 本来立脚する「技術」の伝承性を考えると模倣と創造は必ずしも対立概念ではないなぁ。
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