トイレに住みついた少年 熱血カウンセラーが見たひきこもりの現実

杉浦昌子(著者)

• 販売会社／発売会社: バジリコ/
• 発売年月日: 2002/09/11
• JAN: 9784901784085

商品レビュー

2022/11/30

何事も話し合いが大事

[Koji T]

引きこもりには色々な原因があると思うが、それが長引くのは家庭（両親）の対応に問題があるようだ。同書は著者が取り組んだケースをまとめたもの。対象者本人は自立しても、その両親には相変わらず問題多しのケースが多々あるようだ。
杉村昌子氏及びアイメンタルスクールの行いを非難する輩がいるけれど、彼らは医療機関や行政、公安機関等の公的機関が「引きこもり問題」に関わり合いを避けているので杉村氏らの民間カウンセラーが活動している現状を理解していない。頼りにされるカウンセラーに国家資格はないので手法は独自となるが、偶には対応が失敗する時もあって当然である。それを寄ってたかって扱き下ろすのは、巷の三流コメンテーターと同じで、「お前らがやってみろ！」と言いたい。
批難する輩たちの中には「杉村氏カウンセラーといっても、施設の中で対象者たちを大部屋で無為徒食の生活を送らせているだけ」という者もいるが、それは各家庭から引き取ったばかりの頃で「様子見」の段階であり、その後、協力企業で働かせて自立の方向に向かせているのである。そもそも杉村氏の手法は最初に対象者に面会出来るまで閉じ籠る部屋の扉越しに何日、何か月も語り掛ける努力をし、お互いを信頼し合う状態にして次の段階に進む部分を非難者たちは言及していないのはズルい。
評価を星4としたのは、杉村氏と彼女を非難する者どもとの直接討論が必要だと思ったからである。