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福沢諭吉著作集(第4巻) 文明論之概略
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商品詳細
内容紹介 | 内容:文明論之概略. 解説 戸沢行夫著 |
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販売会社/発売会社 | 慶應義塾大学出版会 |
発売年月日 | 2002/07/15 |
JAN | 9784766408805 |
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福沢諭吉著作集(第4巻)
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前々から精読したいと思っていた福澤作品のひとつ。購入しても積読していたのは,第1に,手軽な『学問のすゝめ』よりも分厚く,第2に,口述筆記調の『福翁自伝』とは対照的に,文語調に終始しているからであろう。今回熟読できたのは,授業のテキストとして指定したために,「読まざるを得ない」と...
前々から精読したいと思っていた福澤作品のひとつ。購入しても積読していたのは,第1に,手軽な『学問のすゝめ』よりも分厚く,第2に,口述筆記調の『福翁自伝』とは対照的に,文語調に終始しているからであろう。今回熟読できたのは,授業のテキストとして指定したために,「読まざるを得ない」というハードルを自ら設定したことに起因する。 福澤は,「文明」を「人の智徳の進歩」という意味で使用している。徳とは「モラル=心の行儀」,智とは「インテレクト=事物を考察,解釈,納得する働き」である。日本が文明に到達していないのは,人民に智徳が不足しているからであり,そのためには智恵と徳義を求めていかなければならない。とくに智力は,富国のために不可欠なものである。 では,なぜ富国が重要なのか。それは,自国は自国で独立していかなければならないからである。独立していくためには,貿易を行って外貨を獲得しなければならないが,そこに智恵が必要となる。富国の方法は,財の蓄積と消費を繰り返して盛大にする以外に無いが,そのためには,財を取り扱うために相応しい智力とそれを理解できる習慣がなければならない。したがって,智徳を修得するための術こそが「文明」であり,文明に到達する目的は,ひとえに日本の独立を保つことにあるという。 本書は,いまから137年前の1875(明治8)年に刊行されたものである。それでも新鮮さを全く失っていないのは,今日の日本も依然として「文明」に到達していないからなのだろう。「自ら難を犯して敢て事を為すの勇なし。期せずして来るの難には,よく堪ゆれども,自ら難を期して未来の愉快を求る者なし。(中略)日本国の人は,尋常の人類に備わるべき一種の運動力を欠て停滞不流の極に沈みたるものと云うべし」(275頁)という文章は,現在の我々に対しても問われる普遍的なテーマだと言ってよい。 (2011年度後期における学部科目「外国書講読(英語経済)」のサブテキストとして,本書を使用。)
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