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えんの松原 創作童話シリーズ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 福音館書店/ |
発売年月日 | 2001/05/01 |
JAN | 9784834017588 |
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えんの松原
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商品レビュー
4
18件のお客様レビュー
とーーーーってもおもしろかった! 怨みとは何なのかとてもよく考えられていた。 伴内侍がとてもいいキャラで、読み終わる頃には大好きになってしまった。
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タイトルだけ知りつつ未読だった本。意外に古くなく、初版は2001年。本が好きな子なら小学校高学年から読むと思うが、多少の時代背景への知識も必要になる。何より古めかしい装丁が、子どもに手に取ってもらうにはハードルになっていると思う。惜しい。
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宮中でも女しか入れない温明殿で、13歳の少年音羽丸は女の”音羽”として下働きをしている。音羽の面倒を見るのは、温明殿を取り仕切る老女の伴内侍だ。 その頃京都では怨霊が跋扈し、貴族たちの権力争いが繰り広げられていた。 当面の身の置きどころがなく、仕方なく女の格好などをして窮屈で表面...
宮中でも女しか入れない温明殿で、13歳の少年音羽丸は女の”音羽”として下働きをしている。音羽の面倒を見るのは、温明殿を取り仕切る老女の伴内侍だ。 その頃京都では怨霊が跋扈し、貴族たちの権力争いが繰り広げられていた。 当面の身の置きどころがなく、仕方なく女の格好などをして窮屈で表面的な宮中にいる音羽は辛抱の日々だ。 ある日音羽は東宮御所から抜け出た東宮の憲平(のりひら)と出会う。 音羽と年の近い憲平は、体も弱い自分が政治的理由で聡明な弟を抑えて強引に東宮として建てられたことを苦しく思っている。 さらに憲平は夜毎の怨霊に苦しめられていた。 憲平は女の格好をさせられているが力強い音羽に興味を示す。 音羽はある夜御所内の林「えんの松原」を通る。ここはかつて「怨の松原」とも呼ばれた怨霊の住まう場所だったが、伐採しようとするたびに事故が起きて何もできない場所だった。 そこで音羽は確かに感じたのだ、大きな黒い鳥の姿をした多くの怨霊、そしてその中でも自分と年の変わらないような少女の怨霊の声を。 そして窮屈な朝廷で閉じ込められるようにして守られ、夜毎の怨霊に苦しめられる憲平に離れがたい感情を持つ。 憲平のために怨霊と戦うという阿闍梨、そして厳しく冷たくも見えない優しさを示す伴内侍たちの話から、ついに音羽は怨霊の正体を掴む。 その正体は憲平を傷つけるだろうとは思ったが、だが知らされないことへの焦燥、正体不明の相手と戦わなければいけない苦しみよりはと、怨霊のことを憲平に告げるのだった。 なぜ宮中に怨霊の住まうような松原を作ったのだろう?怨霊は人を取り殺したらどこに行くのだろう?という疑問に、少年たちは「怨霊から逃げようとしても逃げられない。怨霊の場所亡くなってもそれはいなくなったわけではない。見えなくなっただけだ。それならいる場所があることは意味がある。今の世は怨霊となった人々の思いの上にできているのだと忘れないために」という答えを出す。 葛藤を乗り越えて、ある晩、音羽と憲平は怨霊の巣食う「えんの松原」へ向かう。 そして憲平は自分を呪い続けた怨霊に呼びかけるのだった…。 === 「鬼の橋」の作者伊藤遊と挿絵画家大田大八による平安絵巻。 これが実に素晴らしい児童文学でした! 窮屈で身の置きどころのない少年二人が自分の場所を自分で作ろうという意思を持つまで、傷ついた相手の心に触れようとすること、そして怨霊となったものの想いを忘れないようにというテーマ。 祟るものと祟られるもの双方からの怨霊の概念の一つ答えとしても、二人の少年の成長記としても実に素晴らしい!! 登場人物たちも、厳しく冷たいようでその根底に覆うような情を持つ老女たち、東宮の前だろうが言いたいことははっきりいうという少女、怖くても女の子とのためには頑張ろうという少年、貧しくても幼いものをかばってできる限りのことをしようとするなど、それぞれがしっかり生きています。 史実にあてはめれば憲平は冷泉天皇になるが、奇行が多く、勢力争いも激化し、在位期間も短い。 それなら主人公二人の少年期の葛藤は一度区切りがつきましたが、きっとまた逢える、というその成長した後の活躍も読みたくなりました。(退位後とかどうでしょう…)
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