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マンハッタン・ラブソング SHINJUSHA MYSTERY

コーネル・ウールリッチ(著者), 門野集(訳者)

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定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新樹社/
発売年月日 2001/04/02
JAN 9784787585066

マンハッタン・ラブソング

¥1,705

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2022/01/19

一人の女性をとことん愛してしまった男の心情が、きらきら輝く修飾語で語られる。修飾文体でこぼれそう。 恋の初めの、相手を見たとたん電流に打たれた場面では、 「部屋が出来損ないの回転木馬のように、ぼくを心棒にしてぐるぐる回り始めた。蒸気オルガンの代わりに、ぼくの心臓が伴奏を奏でた」...

一人の女性をとことん愛してしまった男の心情が、きらきら輝く修飾語で語られる。修飾文体でこぼれそう。 恋の初めの、相手を見たとたん電流に打たれた場面では、 「部屋が出来損ないの回転木馬のように、ぼくを心棒にしてぐるぐる回り始めた。蒸気オルガンの代わりに、ぼくの心臓が伴奏を奏でた」全編こういった文章のオンパレードである。主人公の若い男ウェイドの心をこの文体で味わうのだ。 物語はシンプル。ウェイドは8年も結婚生活をしているが、ある日バーニスという謎めいた女性に狂おしいほどの恋心を抱いてしまう。妻を捨て駆け落ちしようとするが・・ まったくもってウェイドはどうしようもない男に見えるが、妻を捨てようとする際、8年もいっしょにいたのだから少しはお金を残さないといけないかな、去る時はやっぱりきちんと言葉で言ってから、などとかわいげな言動もある。地味な妻に対する描写はけっこう辛辣。女性の心理や外見もきっちり見ているのには驚く。 ウールリッチはこの本の出版を最後にいったん筆を折り、2年の空白を経て「死の治療椅子」でミステリ作家として再登場を果たす。この本はミステリと名付けてはいないが、最後にバーニスが墜ちてゆく様は、暴力的で破滅的なミステリの雰囲気が漂う。 本文が始まる前に「これは、謎めいた暗黒街を背景として描かれた、狂気の恋の物語である。露骨に、生々しくつづられるこの種の物語での常道とは異なり、文体と筆致は、バーニスの人生を包み込み支配しているエキゾチズムに彩られている」これはウールリッチの文なのか。文体と筆致は、などと作者本人が言うのかな。でも読み終わってこれを読むと、まさしく短く内容を言い表わしていた。 解説によると、この本はルクセンブルク南西の、フランス国境に近い保養地モンドルフ・レ・バンで書き上げた。デビュー当時の名声はすでに色あせ、大不況の余波で雑誌からの注文もなくなり、ハリウッドでも成功できず、私生活では結婚が破たんした1931年のこと、とある。書評にとりあげられることもなく埋もれてしまった。 1934年に映画化されるがなぜかコメディになっていたという。監督:Leonard Fields https://www.imdb.com/title/tt0025463/?ref_=nm_flmg_wr_6 1932.8発表  翻訳:門野集(1962生) 2001.4初版 図書館 表紙の絵は伊藤熹朔

Posted by ブクログ

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