小説 ニッポン消滅(下)

キムスンホ(著者), 中村欽哉(訳者)

• 販売会社／発売会社: 小学館/
• 発売年月日: 2001/11/20
• JAN: 9784093873611

商品レビュー

2020/04/08

またも古い小説ですが、こちらも非日常の国家間闘争を描いた、ダイナミックな一冊でした。

このようなものを立て続けに読み進めていくと、共通するテーマみたいなものが、おぼろげに見えてくる気がします。

こちらから学んだのは、こんな真理です。
1. 強烈な危機感
2. より具体的なゴールの明示と準備・準備・準備
3. 最高の知力・技術の結集
4. 世界を見る目。世界に存在する問題を理解し、解決する行動。
5. より深い知恵と精神性の取得の重要性

経営に一般化できそうな、ポイントばかり。もしくは、自分がそんな風に見過ぎなのだろうか？　

参考になったフレーズの抜粋、以下：
『日本は国土が沈没するのを知った直後から、あらゆる分野で、最善の方法で活動し始めた。なかでも、戦争準備に優れた頭脳を動員したのは、それを如実に物語っていた。研究に研究を重ねた結果、日本の国防力は飛躍的に向上した。戦略防衛研究所を発足させ、優秀な頭脳を1箇所に集めた。特に、小型戦略兵器の開発は、日本の国防力を一新させた。宇宙装備の小型化は、人工衛星部門でアメリカにかなり先行していた。』

『強いものは行動し、弱いものは語る。日本は力があるので行動し、オーストラリアと韓国は言葉を多用していた。しかし、昔から今に至るまで、言葉は力に勝てるはずはない。両国とも平素から国力を育てていなかったので、いまさらどうすることもできなかった。』

『スパイ1名は、一個師団の兵力に相当する。スパイが探り出した情報は、ときには大規模な敵の兵力を無力化する。』

『先生はいつ見ても平穏で生気があふれていたが、その姿は物静かで自然だった。そのような先生の前に立つと、いつのまにか心が静まり、深い洞察力が得られるのだった。』

『彼はいつでも眠りから覚めた瞬間、最高の精神状態になれた。精神が徐々にさめていくということはなかった。意識が戻った瞬間、まさに最高の状態になるのだった。一秒もかからなかった。』