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ケツァル鳥の館
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2001/11/10 |
JAN | 9784163205106 |
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ケツァル鳥の館
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商品レビュー
3.8
4件のお客様レビュー
ちょっと小さめサイズのハードカバーで、漢字も少なくて、山本容子の銅版の挿絵がなかなかおしゃれ。 ジャングルの生き物たちの世界にしばし心を飛ばし、戻ってきたら心が少し軽くなっていた、そんな感じでした。 南米グァテマラのジャングルやその周辺の山岳地帯で生きる動物たち。 一匹狼...
ちょっと小さめサイズのハードカバーで、漢字も少なくて、山本容子の銅版の挿絵がなかなかおしゃれ。 ジャングルの生き物たちの世界にしばし心を飛ばし、戻ってきたら心が少し軽くなっていた、そんな感じでした。 南米グァテマラのジャングルやその周辺の山岳地帯で生きる動物たち。 一匹狼(?)の鼻グマ、ヨロイネズミの夫婦、悪名高いイタチ、などなど。 それらの動物を主人公にした短編が連なっていて、美しく危険なジャングルでの命のやりとりが、緊張感とユーモアを交えながら描かれています。 動物たちに人格のようなものが与えられているものの、やりすぎ感はなく、抵抗なく動物たちのすぐそばにある視点になじむことができて、まるで自分が動物になってジャングルの中を歩き回っているような気分に。 で、そんな気分が高まってきたところで、結構あっさりと死んでしまったりする。 感傷的に描かれることもなく、その死すらもまたジャングルの命の循環の中に還っていくのだ、と。 いかに人間が自然界で特異な存在であるか、が動物目線で描かれているあたりもまた面白い。 シートン動物記などは「観察記録」的な雰囲気ですが、こちらはもうちょっと寓話的。 南米という土壌がはぐくんだ自然観や民俗信仰も反映されています。 あとがきによれば、「南米の中等教育のテキストとしてよく用いられている」とか。 平易な文章でありながら、ジャングルの世界を詩情豊かに描き出していて、こんな話が教科書に載っているならちょっとうらやましい。 動物好きとジャングル好きにおススメ。 読みやすいです。
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ジャングルというと、肌にまとわりつくような湿気、むせ返るような緑の匂い、顔の周りをうるさく飛び回る虫といった印象なのだが(『コンゴ・ジャーニー』の影響?)、ここで描かれるジャングルは美しい。 セイバの木の幹の白さ、木々を彩る朝顔や蘭の鮮やかさ・・・。 登場する動物たちを通して、様...
ジャングルというと、肌にまとわりつくような湿気、むせ返るような緑の匂い、顔の周りをうるさく飛び回る虫といった印象なのだが(『コンゴ・ジャーニー』の影響?)、ここで描かれるジャングルは美しい。 セイバの木の幹の白さ、木々を彩る朝顔や蘭の鮮やかさ・・・。 登場する動物たちを通して、様々なジャングルの表情を味わうことができる。ハナグマと一緒に丈高い草むらをサワサワとかきわけ、湿った泥の中を歩くヨロイネズミの視点から日の射さない“緑の底の世界”を眺め、吠え猿とともに香り高い松の木からジャングルを見晴るかす、といったように。 詩情豊かに描かれたこの“緑の館”のなかでは、もちろん、喰うか喰われるかという生の営みが行われているのだが。生命の循環を語る語り口はあくまで厳かで、読んでいてとても心地よい。 ――La Mansion del Pajaro Serpiente by Virgilio Rodriguez Macal
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グァテマラのジャングルに生きる動物たちの姿が鮮やかに描かれているのだけど、それは楽しいだけのものではなく、常に死と隣り合わせの切迫した生活描写で、寓話ながらドキュメンタリーを読んでいる気分になる。ジャングルの連環から外れた存在である人間が脅威として描かれ、鋭い見解を与えている。
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