空からの民俗学 岩波現代文庫 社会33

宮本常一(著者)

• 販売会社／発売会社: 岩波書店/
• 発売年月日: 2001/04/16
• JAN: 9784006030339

商品レビュー

2023/04/30

3,4ページほどの短編が集まっている本だったので、空き時間や寝る前に一つ読もう、と気軽に読めた。一枚の写真からその土地の生活がわかる奥深さと、日本の地域の多様さを知ることができた。ただ、かなり昔に書かれたものが多かったので、この本に載っていた、のどかで素朴だが個性が強く生き生きとしたそれぞれの地域は今はどうなっているのか非常に気になる。かつてあった地域の個性や独自性のようなものはきっと薄れているのだろう。とても寂しいことです。
Ｐ52の「京の町並」やP110「川のある風景」は、とてもおもしろかったというか、感動したというか、趣深さを感じた。他にも宮本常一の本を読んでみたいと思う。

2017/01/21

２００１年刊行。主として、低空から撮影した１枚の航空写真から、その地域的特性を読み解く書。写真撮影時期は昭和４０年代後半、雑誌掲載が昭和５０年代前半。一つ一つの記事は５頁内外なので、分厚い論述とは言いがたいが、あちらこちらの地域を広範囲に網羅しているのがいかにも旅の巨人たる著者らしい。しかも、現場体験を加味した叙述は、高い臨場感。特に｢福井平野の条里制｣｢根釧原野｣｢イカを追うて｣がなかなか。

2014/01/10

GSP（GROUNDSCAPE PAPAER）のクチコミ書籍から。

宮本常一という旅の巨人の著書は初。

暮らしや営みへの鋭いまなざしと解釈力、平素でとても理解しやすい文章。

風景の背景にある人々の暮らしや自然の営み
それこそが風景だという自身の考え方にとてもフィットする。

飛行機の窓から大地を見下ろしたくなる一冊。