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新生の街 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2000/04/19 |
JAN | 9784488153045 |
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
「リディア・チン&ビル・スミス」シリーズ4冊目。 「どこよりも冷たいところ」と順番を違えて買ったのでシリーズとしては3作目。というわけで今度はリディアが語り手のお話。 年末バタバタしていて読むのに時間が掛かった。多分、今年最後の一冊。 新進デザイナーから盗まれたスケッチの“身代...
「リディア・チン&ビル・スミス」シリーズ4冊目。 「どこよりも冷たいところ」と順番を違えて買ったのでシリーズとしては3作目。というわけで今度はリディアが語り手のお話。 年末バタバタしていて読むのに時間が掛かった。多分、今年最後の一冊。 新進デザイナーから盗まれたスケッチの“身代金”受渡しの仕事を持ち込まれたリディアが、指定の場所に赴いたところ不意の銃撃を受け現金も消え失せた、というところから始まる物語。 この失態に『頭から湯気を立てて怒り狂い、梃でも動かないくらい意地を張る』リディアは、依頼人から解雇されても“自分の事件”として深入りしていく。 今回もまた一筋縄ではない展開で、その後も、ショウのプロデューサーが殺され、怪しげなモデル事務所の経営者が登場し、覆面の男に襲われ、元依頼者の妹やパートナーの良からぬ噂が出てきて…、『自分がなんでここにいるのか分からない』局面が続く。 早春のニューヨークのそこかしこの風景が描かれる中、二人で事件に向かっていくリディアとビルの会話がいい感じで、気の利いたセリフで場面場面が締めくくられていくのを楽しむ。 向こう見ずなリディアの行動は相変わらずだが、「ピアノ・ソナタ」や「どこよりも冷たいところ」を読んでいるので、その勝気なところも家族の中での立ち位置やビルに対する感情の裏返しということが分かってきていて、最初の「チャイナタウン」の印象からはだいぶかわいらしく思えてくる。そんなリディアをそれをさりげなくフォローするビルの姿にも好感。 辿り着いた真相は今回もまたそこまで回りくどくすることあったのという気もしたが、『この件が片づいたらポケットベルを買いにいこう』という時代の物語にあっては、その回りくどさやもどかしさも含めて楽しむものなのだろう。 終章、リディアがジョンにぶったマンモスのたとえ話がおかしくも切なく、『ほんとうに行きたい場所を目指しているように歩いた』キャットウォークの姿がかわいくて良かった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
交互に主人公の視点が替わるリディア&ビルシリーズの第3弾。今回はリディアの番。 交互に視点が入れ替わることで、ビルから見えるリディアの姿とリディアの内面のギャップ、またその逆が描き出され、主人公達への共感が高まると共に、彼らの色々な面が見えるのが面白い本シリーズ。 前作『ピアノ・ソナタ』では、ビルのタフさの裏でピアノを愛でる繊細さとリディアの調査事務能力の高さが印象的だった。 今作はリディアのビルに対する劣等感や怪しいことを放っておけない猪突猛進ぶり、それを表面的にはおどけながらもそっと手を差し伸べるように支えるビルの姿が印象的。 事件はリディアの3番目の兄アンドリューの知り合いの知り合いで新進気鋭のデザイナー、ジェンナが新作コレクションのお披露目ショウを目前に作品達のスケッチを盗まれ”身代金”を要求され、現金の引き渡し現場にリディアとビルが向かうところから始まる。 指示されたとおり、ゴミ箱にリディアが現金を入れその場を立ち去る、その前から監視についているビルがブツを取りに来た人物を尾行する算段だったのだが、現金をゴミ箱に入れたそのとき始まったまさかの銃撃。 金は消えたが、スケッチ盗難犯からは”あれは自分達ではない、もう一回チャンスをやる気になったらまた連絡する”との電話が。 黒幕はいったい?目的は? リディアとビルはジェンナの周りの怪しい人物達を探るが、殺人やら売春やらドラッグやらのスケッチ盗難とどう関係するのかピンとこない話ばかり掘り出され混乱。 事件の合間に織り込まれる、毎度のふざけたようなビルからリディアへの愛のことば。 リディアもまんざらではないのだが、仕事のパートナーとして割り切りたい理性が働き、やんわりと防御。 その牙城がゆっくりと崩れていくのを見守るのも今回の見どころ。 関係性がちょっと変わった中、次作『どこよりも冷たいところ』ではどんな事件が待ち受けるのか。
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ケータイ以前の世代としては、 ケータイを登場しない小説を読んで違和感を感じることは、 あまりない。 しかし、こんなにケータイが登場しないことに 焦燥感を感じたことはない。 ダブル主人公とも言える二人が連絡をとりあえないことに、 イライラ、というか、アセアセ、してしまう。 特に...
ケータイ以前の世代としては、 ケータイを登場しない小説を読んで違和感を感じることは、 あまりない。 しかし、こんなにケータイが登場しないことに 焦燥感を感じたことはない。 ダブル主人公とも言える二人が連絡をとりあえないことに、 イライラ、というか、アセアセ、してしまう。 特に今回はリディア・チンの方が主人公のせいか。 前回より思い入れが増しているというか。 中華系の家族との関係が、 微妙に好転しているようなしていないような微妙な感じも良い。
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