聖教要録・配所残筆 講談社学術文庫

山鹿素行(著者), 土田健次郎(訳者)

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 2001/01/10
• JAN: 9784061594708

商品レビュー

2022/07/15

書き下し文、現代語訳、原文（漢文）、語釈の四点セットが並び、大変分かりやすい構成となっている筈なのだけど、頭に入ってこず。。

乃木希典が唯一愛読した本として、山鹿素行の『本朝事実』があり、最初はそれを読んでみようと思ったのだけど、この『聖教要録』がより簡潔で読み易い、という触れ込みを聞いて、期待したのだが。。

2011/04/03

山鹿素行の儒教に対する考えと、
彼の自伝をセットにしたお得な本。

この本を読むまで、恥ずかしながら、
朱子学に対するアンチテーゼとして、
古学派というものがあったことを知らなかった。

古学派は朱子学をはじめとする、漢代以降の思想を否定し、
古代の聖人の教えを直接学ぶべしという考え方なのだが、
彼はその古学派の創始者と言って良い人らしい。

また、日本書紀を論拠として、
中国の文化は素晴らしいという朱子学派の考えに、
日本の文化だって優れているという反論をしている。

しばしば、戦前に主張された武士道や忠君愛国の
原因として朱子学や葉隠が槍玉に挙げられるが、
この本を読むと、彼の思想と弟子の大石内蔵助の行動が、
良くも悪くもその後の日本に影響を与えたように思える。