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土と兵隊・麦と兵隊 新潮文庫
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土と兵隊・麦と兵隊 新潮文庫

火野葦平(著者)

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土と兵隊・麦と兵隊 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/
発売年月日 2000/07/25
JAN 9784101008011

土と兵隊・麦と兵隊

¥440

商品レビュー

4

7件のお客様レビュー

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2016/04/03

この小説は、同氏の「兵隊物」の三部作のうちの二作品が収録されています。小説と言う読みもの他に著者の目線から見た「戦争」と言うものが解ります。

Posted by ブクログ

2015/11/08

私は戦記文学の存在や、この本の2作品の文学性自体は否定しない。しかし、2作品の根底に見える“偽善”が、どうにも引っかかる。戦中派の方々には青臭いと思われるかもしれないが、寛恕のうえ私の感想を読んでほしい。 私には、2作品にある“敵”と“味方”との二元的な視点が目触りで仕方ない。...

私は戦記文学の存在や、この本の2作品の文学性自体は否定しない。しかし、2作品の根底に見える“偽善”が、どうにも引っかかる。戦中派の方々には青臭いと思われるかもしれないが、寛恕のうえ私の感想を読んでほしい。 私には、2作品にある“敵”と“味方”との二元的な視点が目触りで仕方ない。 同じ日本人のうちに流れる“同胞意識”は、戦場での様々な場面でこれでもかと描かれる。しかし一方で「我々の同胞をかくまで苦しめ、かつ私の生命を脅かしている支那兵に対し、激しい憎悪に駆られた。私は兵隊とともに突入し、敵兵を私の手で撃ち、斬ってやりたいと思った。」という記述が私を戸惑わせる。(「麦と兵隊」P217) この記述のあとに「私は死にたくないと思った。死にたくない。」という独白が続き、それ自体は、死地に置かれた人間の心の底からの描写として傾聴したいが、その一方で、中国人であっても、同じように赤い血が流れ、同じように家族を残して戦地に臨み、同じように「死にたくない」という強い感情に支配されているのは自明の理であり、そこを抜け落として語られていることに大きな欺瞞を感じる。 私のなかでは、先の中国兵への殺意を読んだあと、中国兵捕虜を処刑する場面を見た主人公が「私は眼を反らした。私は悪魔になってはいなかった。私はそれを知り、深く安堵した。」(「麦と兵隊」P275)と言っても素直に聞けない。 アメリカ人作家が、日本人への殺意をむき出しにして日本を爆撃し多くの日本人の生命を脅かしながら、それでも私は悪魔にはなっていなかった、と独白するような米国兵が主人公の小説を書いたら、普通の日本人なら違和感を感じるはず。それと同じだろう。 検閲が支配する当時、素直な心情の吐露が自分の身にどういう形で返ってくるかは同情的に考えてあげないといけないが、私にはどうしてもこの2作品には、作者が内地の日本人に対し、戦地での一種のヒロイズムを伝えようとした意図しか見えない。 (2011/12/31)

Posted by ブクログ

2013/02/03

こういう文学を、反戦だとか好戦だとか分類することに意味があるとは思えない。ここに書かれているのは、その時代、その場所で、実際に泥にまみれて戦った兵隊が、前線をどう見ていたかという記録だ。むしろ、歴史的高所に立った後世の視点に「汚染」されていない点が貴重だ。その時代その場所で人々が...

こういう文学を、反戦だとか好戦だとか分類することに意味があるとは思えない。ここに書かれているのは、その時代、その場所で、実際に泥にまみれて戦った兵隊が、前線をどう見ていたかという記録だ。むしろ、歴史的高所に立った後世の視点に「汚染」されていない点が貴重だ。その時代その場所で人々が何を考えていたか知らずに、歴史から学ぶことなんかできない。 兵隊への同情が語られる。国への一体感と、義務感と、敵兵への憎しみも語られる。ついつい引き込まれる。そして、無残なエピソードも語られる。撃たれて瀕死の重傷を負い、腕の中の赤子をあやしながら死んでいく中国人の母親。殺害される捕虜。それを見、心を痛めながら、何をすることもない兵隊たち。国のため、という大義名分が消え去ったときに(それは実際に起きた)、彼らはどのようにその記憶を「消化」したのだろう? そんなことができたのだろうか? いままた戦争が起きれば、ぼくらはまた同じことを繰り返すのだろうか?

Posted by ブクログ

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