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西田哲学と左派の人たち
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | こぶし書房 |
発売年月日 | 2000/06/05 |
JAN | 9784875591450 |
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西田哲学と左派の人たち
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西田哲学と左派の人たち
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西田幾多郎の思想と、それに対する田辺元、高橋里美の批判を紹介している。さらに、「京都学派左派」と呼ばれる思想家たちの中から、三木清、梯明秀、舩山信一の思想が取り上げられ、考察されている。 1920年代末から30年代にかけて、西田の周りには、戸坂潤や三木、梯といった、マルクス主義...
西田幾多郎の思想と、それに対する田辺元、高橋里美の批判を紹介している。さらに、「京都学派左派」と呼ばれる思想家たちの中から、三木清、梯明秀、舩山信一の思想が取り上げられ、考察されている。 1920年代末から30年代にかけて、西田の周りには、戸坂潤や三木、梯といった、マルクス主義の影響を受けた弟子たちが集まっていた。西田は彼らとの交流を通じて、みずからの「絶対無の哲学」を、より具体的な弁証法的世界の論理へと作り変えていった。三木や梯らは、そうした西田の思想の深化を見ながら、その思想をさらに現実的な次元に近づけていこうと努力を重ねたのである。 三木清は、人間は交渉という仕方で世界と関わっている存在だと考えた。これによって彼は、主観と客観とを隔てる二元論的な枠組みを批判するとともに、単なる素材としての自然観も乗り越えて、客観的物象としての生産手段を交渉的存在としての人間との関わりにおいて主観的に捉えなおす道を開くことになった。著者は、こうした三木の思想のうちに、技術を中軸に据えて人間の歴史を「形の変化」として捉えることで、自然史と人間史を統一する発想を見ようとしている。 しかし、自然史と人間史の統一という問題を、三木よりもさらに推し進めて考察したのが梯だった。著者は、梯の「全自然史」の構想を、エンゲルス流の自然弁証法から区別しようとしている。カントは『判断力批判』の中で、私たちが自然の中に認めようとする合目的性には客観的妥当性を認めることはできないとした。だが梯は、歴史的自然の中に合目的を見ようとするのは悟性の実践性のゆえであると主張し、そこに働く構想力の展開として「全自然史」の構想を打ち立てたのだった。著者は、こうした梯の「全自然史」の構想に、シェリングの自然哲学に通じるような洞察を読み込もうとしている。
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