1,800円以上の注文で送料無料

辺境から眺める アイヌが経験する近代
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

辺境から眺める アイヌが経験する近代

テッサ・モーリス・鈴木(著者), 大川正彦(訳者)

追加する に追加する

辺境から眺める アイヌが経験する近代

定価 ¥3,300

2,475 定価より825円(25%)おトク

獲得ポイント22P

残り1点 ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2000/07/22
JAN 9784622030898

辺境から眺める

¥2,475

残り1点
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

4

5件のお客様レビュー

レビューを投稿

2021/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読みにくさ(カタカナ語の多さ)から星をひとつ引いてしまったが、於いて、良書である。さまざまの歴史書や思想から抜き出して引用しつつ、著者自身が考えを深めていく、というような。 アイヌの人びとについては、昨今、『ブーム』と知り合いが評していたほど、その神話や物語が取り上げられているが、本書に語られているようなーーたとえば松前藩によって鰊漁に従事させられたがために、自分たちの技術(農業、陶器づくりなど)を失わさせられてしまったーーことをどれだけの本が語っているだろうか。 私が本書を読了してイメージしたのは、糊塗された空洞である。「日本すばらしい!」では断じてない私だに、その行ってきた植民地主義の罪禍を迫害を知らないまま、ぼんやり神社めぐりなどをしている。国教として信じあがめているわけではないが、その、あるひとたちには暴力的に埋め込まれた「神話」を尊ぶ場所を(それもよりによってここは北海道だ!)自覚なく安らぎどころにえらんでいることがじつにーー私は神社が「祀る」神を拝むわけではないといいわけしておくがーーうしろめたく感じられる。「語り継がれてきた」ものでなく利用もされた神々だからこそ、極端に「文化」とも美化されるのだろうと思うが……結局は本来の「おおいなるもの」ではなく政治利用のための塗り重ねであろう、とさえ思ってしまう。 本来ヒトのウロを埋めるのは、語り継がれてゆくもの、本書によればテクネー的な記録ではないだろうか。知が中央に集中するエピステーメ的なものではなく。 列強(日本含む)にふるわれた深甚な暴力ゆえに連帯が強化されたのは、むろん、皮肉を通り越して哀しいことであるが。土地と関わり合いレスポンシビリティーを生きた、生きる人びとを、われわれはもっと重要視し尊敬していいはずと思う。 ……また、蛇足ながら、ひとつ危惧として記しておくが、「ちがうもの」として植民地主義側の人間が利用してきた差異による差別、分断が、今度は内側に向けられ自己責任論に終始していくのを、私はひどくおそろしく感じている。

Posted by ブクログ

2016/01/03

昨年度の恵泉女学園大学での「地理学」の講義で近代日本における北海道をテーマにして話を組み立てた。その時読むべきはずだった本書だが,アイヌのことをほとんど理解していなかった私は,歴史的事実が整理された本を優先して読んで講義資料を作成した。 恵泉女学園大学は昨年度のみだったが,今年度...

昨年度の恵泉女学園大学での「地理学」の講義で近代日本における北海道をテーマにして話を組み立てた。その時読むべきはずだった本書だが,アイヌのことをほとんど理解していなかった私は,歴史的事実が整理された本を優先して読んで講義資料を作成した。 恵泉女学園大学は昨年度のみだったが,今年度明治学院大学で「社会学6:エスニシティ・地域・境界」という講義を担当し,部分的に昨年の講義資料を利用することにした。せっかくなので,本書を読んだわけだが,これがまた素晴らしい読書体験だった。 男性と女性の研究のやり方,また文章の書き方に根本的な違いがあるとは思っていない。まあ,とはいってもフェミニズムの女性が書く文章は科学普遍主義を信じて疑わない男性が書く文章とはもちろん違うが,本書の著者はフェミニズムを前面に押し出す研究者ではないし,文体という意味では私が読んでいるのは日本人男性が翻訳したものにすぎない。しかし,やはり読書体験としては自分が書けないということもあるが,独特な魅力に取り付かれるようなものであった。まずは目次から。 序 辺境から眺める 第一章 フロンティアを創造する――日本極北における国境,アイデンティティ,歴史 第二章 歴史のもうひとつの風景 第三章 民族誌学の目を通して 第四章 国民,近代,先住民族 第五章 他者性への道――20世紀日本におけるアイヌとアイデンティティ・ポリティクス 第六章 集合的記憶,集合的忘却――先住民族,シティズンシップ,国際共同体 第七章 サハリンを回想する 本書はタイトル通り,日本と蝦夷(北海道)との植民地的関係を,支配者側ではなく,被支配者側の立場から描こうとする。それと同時に,植民地主義というのは本来はヨーロッパのものだが,そこから見て辺境ともいえる東アジアの日本の事例から。まあ,そうはいっても辺境の人々は自らの歴史を記録しているわけではないので,本書でも日本側の間宮林蔵やロシア側の探検隊などの記録に頼るしかないのだが。まあ,ともかくそうした立場性に関する前半の議論も魅力的。 いわゆる蝦夷島(北海道)の事例は私もそれなりに他の本で読んでいたが,樺太(サハリン)の事例がなかなか興味深かった。特に講義テーマの「境界」と直接に関わっていたので,今回読んで勉強になりました。もう一つはこの後読むことになる同じ著者の『日本を再発明する』でも1章が割かれていますが,シチズンシップ(市民権)に関する議論がなかなか新鮮です。

Posted by ブクログ

2013/10/07

単一民族と表現されることが多い日本民族に内在する民族問題。アイヌ民族との関係を、アイヌ側の視点から捉えてみようとする試み。北方領土問題という形で、日本とロシアのパワーゲームとなっている土地にはも元々アイヌの民が暮らしていた。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品