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東西/南北考 いくつもの日本へ 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2000/11/20 |
JAN | 9784004307006 |
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東西/南北考
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商品レビュー
4
7件のお客様レビュー
2020.01―読了 -2023.08.06-再読 「ひとつの日本」から「いくつもの日本」へ じっくりと読みました。勉強させて貰いました。
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都で発生→四方に伝播 という拡散過程を繰り返すことによって、同じ方言が近畿を中心として同心円状に分布するという「方言周圏論」については、様々な媒体で見聞きした事はあった。 柳田國男はこれをより一般化させ、一見多様に見える日本の各地域の文化は、同一の歴史的道程における各丁場の例示に...
都で発生→四方に伝播 という拡散過程を繰り返すことによって、同じ方言が近畿を中心として同心円状に分布するという「方言周圏論」については、様々な媒体で見聞きした事はあった。 柳田國男はこれをより一般化させ、一見多様に見える日本の各地域の文化は、同一の歴史的道程における各丁場の例示に過ぎないのだ、というような確信に至ったらしい。 こういった考えを著者は「一国民俗学」として批判し、南/北の比較考察等を通じて、系統を異にした文化の並存を提唱している。 どちらが正しいというよりは、複数系統の並存をベースに、中心から周辺という文化の流れも作用して、諸地域独自の文化が形成されたというのが実際のところなんではないだろうか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
2000年刊行。 著者は東北芸術工科大学教授・同東北文化研究センター所長。 民俗学が時代・地域との関連性をどのように解読しようとしているか。北海道を切り捨てつつ、沖縄を本土に無理やり包含しようと試みた柳田國男の一国民俗学。 この呪縛を克服する試みは、実は考古学や文献史学の側から展開されている。 それは、例えば大野晋の方言論、旧石器時代の石器論(岡村道雄)や縄文土器論(小林達雄)から生まれ出ており、例えば「穢れ」解釈の地域性、人死のタブー視が地域・時代により差がある事実。東北北部と道南のアイヌ語源の地名論。このような議論に反映されているように見える。 この点、東北北部や北海道の蝦夷論はそれほど新奇ではないが、土器に関する日本5分論(北海道と東北北部・東日本・畿内中国四国といった西日本・九州・南西諸島)を、列島に関する文化的基底・民俗学的基底と見ていく点は、なるほどの感がある。 とはいえ、主流の民俗学的には列島を分化してみる視座に乏しいこと、これが柳田の呪縛である点。これを民俗学的に解消しようとした試みの一が、宮本常一の全国踏破民俗学ともある。これもまた納得の指摘である。
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