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趣味の問題 ハヤカワ・ノヴェルズ
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趣味の問題 ハヤカワ・ノヴェルズ

フィリップバラン(著者), 高橋利絵子(訳者)

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趣味の問題 ハヤカワ・ノヴェルズ

定価 ¥1,540

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房/
発売年月日 2000/11/15
JAN 9784152083142

趣味の問題

¥385

商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

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2021/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本を読んだきっかけは、人から紹介された作中の食事描写が美味しそうだったから(後にこの食事がとても恐ろしい行為とわかるけれど) 訳がとても読みやすい。これが翻訳ということを忘れてすらすらと読めてしまう美しい文章。原作の物語を一層魅力的にしてくれていると思う。 大企業の社長で豪邸に住んでいるフレデリックと、金のないギャルソンのニコラという対照的な二人が「試食」を通して、他人であるはずの二人が依存し合い、最後には破滅してしまう。 この二人がどう考えても良くない方向に向かっているのに魅力的に見えてしまうのは、二人に向けられる脇役たちの冷淡な目があるからだ。秘書は彼らを軽蔑しているし、ヴァンサンはニコラが次第に入れ込んでいく「試食」について価値を見出さない。ニコラの彼女ベアトリスも、フレデリックの元妻イザベルもフレデリックの異常性を指摘している。ニコラないし読者に示されるはっきりとした異常性は読み手の疑問を代弁し、きちんとした理性を自覚させつつも、フレデリックとニコラのある種の愛情の存在をより引き立たせている。 訳者あとがきにあったようにこれは一種のラブストーリーだ。しかしこの愛は健全で一般的なものとはかけ離れているし、二人の間だけで通じる閉鎖的なもので、嫌悪感を催すものだろう。 この本の主人公二人は物語の吸引力も相まって、どこまでも突き抜けて進み、あのラストに昇華するまでに至ったので読むこちらをとても楽しませてくれた。 他人を支配し作り変える、恐ろしいことをやってのけたフレデリックほどの人物が外界に怯える矮小な臆病さを持つ側面と、異常なのは分かっているのに他人から多大な信頼を寄せられてそこに自身の価値を見出してしまったニコラの依存心は受け入れがたいとはいえ、本書で綴られる細やかな内心に人として共感してしまうのも事実だ。この二人の強烈で危うい関係は今後もそうそう見ることは無いと思う。 最初は耽美小説だと思っていたのに、読み進めるうちに二人の分かち難い関係を本の中で築き上げられつつ、恐ろしい展開にハラハラさせられるサスペンス小説だった。はっきり言って異常な人物たちだ。けれどこの本を読めて良かった。

Posted by ブクログ

2020/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おそろしく気持ち悪い作品です。 依存関係を描いた作品ですが ひょんなことから一人の男が 軽い気持ちで受けることになった「試食係」は 思わぬ形で狂気に満ち溢れていくのです。 そして最終的にそれは確殺兵器のごとく フレデリックの心、体を蝕んでいくのです。 その死は何もできなくなったが故の… ぞっとする作品です、読書注意。

Posted by ブクログ

2019/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

共依存ブロマンスからのメリーバッドエンド。 本人たちが幸せならそれでいいと考えるタイプなので、終わり方に納得したし美しいと思った。

Posted by ブクログ

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