オフエリヤ殺し 探偵小説

小栗虫太郎(著者)

• 内容紹介: 内容:オフェリヤ殺し. 絶景萬國博覧会. 石神夫意人. 折鶴物語. 失樂園殺人事件. W.B.會綺譚. 壽命帳. 童女開眼. とりどり屑籠の千代紙
• 販売会社／発売会社: 沖積舎/
• 発売年月日: 2000/11/25
• JAN: 9784806021155

商品レビュー

2015/05/02

三省堂書店の自由価格本フェアで購入。
沖積舎から平成12年に刊行された覆刻版で、法水麟太郎ものを始めとする短編とエッセイを収録している。初版は昭和10年、春秋社。奥付までしっかり覆刻されているのに驚いた……。
小栗虫太郎というと、やはり圧倒的な存在感を持っている『黒死館殺人事件』のイメージが強いが、この短編集は余韻を残す小品が多かった。変格ものでは定番のオチを綺麗に纏めた『絶景万国博覧会』、ホラーミステリ『石神夫意人』が好きだ。
しかし、小栗虫太郎、『黒死館殺人事件』以外も文庫化されないものだろうか。

2010/10/18

『オフェリヤ殺し』
法水麟太郎シリーズ

法水が作った『ハムレットの寵姫』を上演中の殺人事件。被害者は元の劇団の主宰者の娘・久米幡江。妻や娘、劇団員に裏切られ失踪している元主催者・風間九十郎。奈落から舞台への間での事件。

『絶景万国博覧会』
光子の祖母お筆が３月３日雛人形の前で語るかつて起きた心中事件。お筆の購入した大観覧車。翌日心臓発作で死んだお筆。光子の家庭教師・杉江の語る事件の真相。

『石神不意人』
シャム双子であった自分の片割れを感じる女・石神不意人。教師として勤める学校での同じ境遇の女たちとの関係。

『折鶴物語』

『失楽園殺人事件』
法水麟太郎シリーズ

屍蝋とかした死体を収集する兼常博士の作った「失楽園」と呼ばれる施設。殺害された兼常博士。背中を刺されてしんでいた助手の川北博士。「失楽園」と幻のコスター聖書と博士の娘・幹江の出生にかくされた秘密。

『Ｗ・Ｂ・舎綺憚』
友人からイワクつきの館の管理人を頼まれた落語家・蜃楽。正面門に鍵をかけない、開かずの間に入らないという条件の元。夜中に聞こえる奇妙な物音。チェスの盤と花札にかくされた暗号。

『寿命帳』
友人・広津修平からの手紙に書かれてた広津の犯罪。彼の家族を崩壊させた人々への復讐の記録。

『童女開眼』
女学校の同級生・郁子とパートナーになった登江。彼女の母親からの手紙に書かれていた母親の愛人と思われる秘書の正体を突き止めるべく故郷へ。

　２０１０年１０月２１日読了