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さいごの戦い 新版 ナルニア国ものがたり 7 岩波少年文庫040ナルニア国ものがたり7
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2000/11/17 |
| JAN | 9784001140408 |
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さいごの戦い 新版
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商品レビュー
3.9
40件のお客様レビュー
徹頭徹尾、キリスト教のメタファーと教義たっぷりの物語だった。 「キリストはすごくすごい」「キリスト教は絶対的であり他の宗教は劣っている」という感性が全面に出ているので、他宗教文化圏から見てウーーーーン(笑)…と唸らざるを得ない点はかなり多い。正直、子供に読ませたいとは思えない。 ...
徹頭徹尾、キリスト教のメタファーと教義たっぷりの物語だった。 「キリストはすごくすごい」「キリスト教は絶対的であり他の宗教は劣っている」という感性が全面に出ているので、他宗教文化圏から見てウーーーーン(笑)…と唸らざるを得ない点はかなり多い。正直、子供に読ませたいとは思えない。 ただ、キリスト教について不思議に思っていたこと、キリスト教徒の基本的な感性を理解することができるので読んでよかったと思う。 終わり方にはかなり引っかかるというか、正直、スーザン以外みんな死んじゃいました!でハッピーエンドみたいな締めくくりには正気か…急に天涯孤独になったスーザンはどうするんだ…と思わずにはいられない…。 「信心を怠ると家族と離れ離れになっちゃうよ」という脅迫なのだろうか…怖い…。
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以前から気になっていた「ナルニア国ものがたり」(全7冊)を読む。渡辺京二さんの『夢ひらく彼方へ ファンタジーの周辺』を読んだことが直接のきっかけ。(あの渡辺氏が読むぐらいだから子供向けとはいえ決して馬鹿にしたものではないはず) ということで楽しく読むことができました。 1「ライオ...
以前から気になっていた「ナルニア国ものがたり」(全7冊)を読む。渡辺京二さんの『夢ひらく彼方へ ファンタジーの周辺』を読んだことが直接のきっかけ。(あの渡辺氏が読むぐらいだから子供向けとはいえ決して馬鹿にしたものではないはず) ということで楽しく読むことができました。 1「ライオンと魔女」は本来これ1巻でまとまった作品となるはずだったものなので、よくできた作品。2「カスピアン王子の角笛」は前作の人気があって続編を書いたためか1と同工異曲(でも面白い)。3「朝びらき丸、東の海へ」と4「銀のいす」は海山での冒険譚。5「馬と少年」は外伝的なもの。6「魔術師のおい」、7「さいごの戦い」は全体の形を整える作品(なので面白さは若干落ちる)。 キリスト教的側面やイギリス的異世界が主舞台というところは若干気になるが、ストーリー的にはあまり気にせずに楽しめる。そういえばドラえもんの「どこでもドア」的なものが出てくるのはなかなか興味深い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ようやく全巻読み終えた。全7巻あるのだが、巻ごとで主役となる子どもが入れ替わっていくのが特徴的。1巻にあたる「ライオンと魔女」で登場した4兄弟は2巻になると兄姉が退場し、まだ無垢さの残る弟妹が再び冒険に出ることとなる。このため毎回ニューゲーム状態で話が始まり、完璧な強さや人格に到達することが無いため冒険には常に困難がつきまとう。言い換えれば物語的に必要な困難な状況や起伏に説得力があった。しかし同時にそのせいで毎度ナルニア国のことをよく知らない子どもたちが悪者を成敗するために冒険へ出ては旅の道中で変な人物や動物と出会い、アスランの力を借りることで国に平和を取り戻す、というプロットは似たり寄ったりで(もちろん細かい部分や構成に違いはあるものの)、ややかったるいな、と感じたのも正直な気持ちだったりする。 7つの巻の時系列を入れ替えることで「全体の物語」については常に何が起こるかわからない、何があったのか気になる、というフックを残した状態となっているのはそういった単調さを感じにくくするアイデアなのだろう。おかげでナルニア国がたどる歴史全体を徐々に知る感覚にひたれ、壮大で長い時間軸を楽しむことができた。なのでこれは個々の巻で楽しむ以上に全体の物語を味わうためにシリーズとして用意された物語だったのだと読み終わって思う。 ※ただし1巻の「ライオンと魔女」については一冊できれいに片付いているのでこれだけ読む分には問題無い。 さて、最終巻にあたる7巻は時系列的に見てもナルニア国の「さいご」を描いており、名実ともに終わりの物語。ナルニアの王であり救いの象徴であるライオンの「アスラン」を偽るサルが現れ、愚かな小人たちやたくさんの動物、そしてこれまで登場した子どもたちが集結することになるのだが驚くほど宗教色が濃い。テーマはおそらく救済だろう。聖書の知識が乏しくてもここで語られる「滅び」や「真の国」が何を指すのかは明白で、キリスト教における黙示録と天国のイメージが浮かび上がってくる。それ自体は問題では無い。最後に子どもたちがイギリスですでに死んでいて、ナルニアは崩壊し、真のナルニアなる場所へみんなで行こうとする終わり方も別にいい。少々衝撃的でむしろ好みなくらいだ。 ただ一方であまりにも排他的だとも感じる。アスランのことを信じる者。良い行いをしてきた者は「真のナルニア国」へ行くことができ、ここで起こったこと以上のすばらしい経験を積むことができると語られるが、ではアスランに選ばれなかった人たちは滅ぶしかないのだろうか。良いと悪いの価値判断をするのはアスランや神になるのだろうか。悪いことをしてしまった人はもう赦されるチャンスすら与えられないのだろうか。だとしたらそれは私からすればずいぶんと傲慢で独りよがりで排他的な祝福だと感じる。そのような場所へ私は行きたいとは思えない。どうしても思えない。 ここ(イギリス)ではない場所としてナルニア国があり、そのナルニア国が駄目だったから次は真のナルニア国へ選ばれた者だけが行くということ。じゃあもしその国で同じような問題が発生したらどうするのだろう。また別天地に移るのだろうか。なんだかそれってひどく雑な話だと思うのだけどキリスト教圏の人々なら感じ方が変わるのだろうか。 子どもの頃にこの本を読んだ人はその点をどう思ったのかが気になる。それとも私がうがった読み方をし過ぎなのか、あるいは読み取れてない部分があるのだろうか。わからない。 というか最初からそうだったのだが、アスランが無辜の者として、ただ盲目的に信じるべき存在として描かれていることには違和感があった。それよりも私利私欲のために動き、感情を表に出すことを躊躇しない魔女の方がよっぽど信頼できた。魔女が暴れ回る姿を見ると心がスッとした。たぶん私はナルニアの住人には選ばれないだろう。真のナルニアどころか、滅びる以前のナルニアにさえ。だが私はそれでいい。無辜の存在にただ付き従い死に救済を見出すことよりも、魔女というひどくやっかいでひどく人間的な愚かさの方に私は寄り添いたい。
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