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吉本ばなな自選選集(1) Occult オカルト 吉本ばなな自選選集1
定価 ¥2,530
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商品詳細
| 内容紹介 | 内容:アムリタ. ある体験. 血と水. ハ-ドボイルド. 血の色 |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2000/11/25 |
| JAN | 9784106463013 |
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吉本ばなな自選選集(1)
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商品レビュー
4.2
9件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『アムリタ』の朔美の生き方が、すごく身軽で、自由で、清々しく見えて、羨ましくなってしまいました。 「今」だけに焦点を当てて、そこで起こった物事を感じ切ること、喪失も出会いも同じ流れの中に等しくあるものだと知ること、その流れに身を任せることは、とても難しいことだと感じました。 吉本ばななさんの、喪失とそこからの再生の描き方は、とても繊細で曖昧な優しさがあって好きだなとしみじみ思う選集でした。
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「私は、その手の学習をして楽になった人も、悪化した人も知っている。でも何もなかったのは彼女だけだった。 彼女は確かにとんちんかんな人だったが、いつも自分で決めた。自分で決める力が必要以上に強い人だった。服も、髪型も、友達も、会社も、自分の好きなことや嫌いなことも。どんなささいなこ...
「私は、その手の学習をして楽になった人も、悪化した人も知っている。でも何もなかったのは彼女だけだった。 彼女は確かにとんちんかんな人だったが、いつも自分で決めた。自分で決める力が必要以上に強い人だった。服も、髪型も、友達も、会社も、自分の好きなことや嫌いなことも。どんなささいなことでも。 それが積み重なって、後に真の『自信』というフィールドをかたちづくるような気がしてならない。 その人がその人であることは、壊れて行く自由も含めてこんなにも美しい、人に決めてもらえることなんて何一つ本当じゃないんだな、としみじみ光るように生きる彼女を見ていて私はよく思った。」 ・ 「竜一郎はどう思っているだろうか、と思って竜一郎を見た。 観察と好奇心と、信じる気持ちと、疑ってみる精密さの入りまじった表情をしていた。 そしてそこにはいつものように『でも何もかも本当はわかっている』という明るい感じがあった。それは彼特有の持ち味だった。 私は竜一郎で確かめるのが好きだ。 安心する。 いつも近くに彼がいて、こんなふうに確かめられたら楽だな、と思う。 この役割においては、私の中で彼は他の追随を許さないところにいる。」 ・ 「俺なんか、頭使うのが職業だから、いつもその調整が大変なんだ。でも、考えちゃだめなんだ。極端な話、走るとか、泳ぐとか、そういうのでもいいくらいだ。今したいことにためらいなく足が動くように調整しとかないと、頭の筋肉が熱を持って、オーバーヒートしちゃう。休めなくなるんだ。君にも多分これから過酷な運命が待ってると思うけれども、何とかなるよ、こつさえつかめば。それにことによると、いろんな人にいろんなことを言われるかもしれないが、自分の体から声をだしてる奴以外の奴は、どんなにもっともらしいことをいっても、わかってくれても信じちゃだめだよ。そういう奴は過酷な運命を知らないから、うその言葉でいくらでもしゃべることができるんだ。誰が本当の声で話しているか、誰がきちんと体験の分量で話しているか、勘はそういうことにこそ使わないと、死活問題だから。ほかの人みたいに、遊びでいられない脳の使い方を、君はしてるんだから。」 ・ 「きしめんは今日は髪の毛を二本のみつあみにして、肩に下げていた。黒いセーターに、緑のスカートをはいていた。そんなラフな様子なのにどこか固く、公式の場にでるようなきちんとした雰囲気をたたえていた。誰にも彼女の流れをくずすことはできない、そういう感じだった。人よりずっと長く生きているような感じ。そしてどこか、影の薄いような、哀しいような感じがした。そして、特別話しかけたり笑いかけたりしているわけではないのに、自分はすごくこのひとに愛されているというような気がした。」 ・ 「何て宗教くさい手紙なの!」 と私はあまりのあいかわらずさに感動すら覚えて言った。 「いい手紙じゃない。」 ビデオを見ながらこっちを見もせずに昭が言ったので、 「読んだの?」 と聞くと、 「違う、読んでる君の顔を見てた。」 と答えた。
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自選選集。全4巻。 作者は「キッチン」のあとがきで「私はたった1つの事が言いたくて小説を書き、その事をもう言いたくなくなるまでは書き続けたい」というような事を書いていたけれど、この4冊は正にそのブレないテーマをタイトルにしているように思う。 1.「Occult」 2.「Lov...
自選選集。全4巻。 作者は「キッチン」のあとがきで「私はたった1つの事が言いたくて小説を書き、その事をもう言いたくなくなるまでは書き続けたい」というような事を書いていたけれど、この4冊は正にそのブレないテーマをタイトルにしているように思う。 1.「Occult」 2.「Love」 3.「Death」 4.「Life」 の4つのテーマごとに分けられているが、個人的には比重に差があるだけで、それほど4冊共違いは無いように感じた。 作者の作品が好きな人の場合は「オカルト」「デス」をおもしろく思うだろうし、そういったテーマが苦手な人の場合は「ラブ」「ライフ」が読みやすいのではないかな?と思う。
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