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花降る日へ 郭宝崑戯曲集
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花降る日へ 郭宝崑戯曲集

郭宝崑(著者), 桐谷夏子(訳者), 川本よう子(訳者), 小宮山智津子(訳者), 山元清多(訳者), 佐藤信(訳者)

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花降る日へ 郭宝崑戯曲集

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商品詳細

内容紹介 内容:棺桶が入らない! 川本[ヨウ]子訳. おかしな少女とヘンテコな老木 小宮山智津子訳. 九さんの話 山元清多訳. Kan-gan 佐藤信訳. 霊戯 桐谷夏子訳
販売会社/発売会社 れんが書房新社/
発売年月日 2000/10/20
JAN 9784846202415

花降る日へ

¥220

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2004/10/18

中国生まれのシンガポールの劇作家、郭宝崑(クオ・パオ・クン)の戯曲集。 棺桶が入らない!(川本?子訳) おかしな少女とヘンテコな老木(小宮山智津子訳) 九さんの話(山元清多訳) KAN−GAN(佐藤信訳) 霊戯(桐谷夏子訳) の5つの物語。 ホントに全部すばらしいしお薦め。 ...

中国生まれのシンガポールの劇作家、郭宝崑(クオ・パオ・クン)の戯曲集。 棺桶が入らない!(川本?子訳) おかしな少女とヘンテコな老木(小宮山智津子訳) 九さんの話(山元清多訳) KAN−GAN(佐藤信訳) 霊戯(桐谷夏子訳) の5つの物語。 ホントに全部すばらしいしお薦め。 棺桶が入らない!は公営墓地はみんな同じサイズで 自分の子孫は自分のお墓を見分けつかないんじゃないの? って心配するお話。 死を一様化することに対する疑問。 おかしな少女とヘンテコな老木は 老木に惹かれた少女と老木の精のお話。 人は新しいものばかりに価値を見出して 古いものを省みようとしないことと 自然は壊してしまうと元通りにならないよってお話。 九さんの話は頭のいい少年の話。 頭がいいがために家族に期待され その期待というレールに沿って歩んできた少年が 自分は操り人形と同じだと感じ 自分の人生を自分の手に握りたいと願う話。 地位や名誉と選ぶのか自分の人生を選ぶのか。 KAN−GANは宦官という職種で上り詰めた 宦官提督鄭和になった夢を見たというお話。 宦官というのは後宮に仕える去勢された男性のこと。 鄭和は宦官で一番上まで上り詰めたが それでも本人は幸せではなかった。 捕虜になり去勢され、皇帝に拾われて 名前を馬和から鄭和に変えらた。 地位は上がったとはいえ 彼は生涯、奪われ損なわれ続けてきた。 理想的な桃源郷でさせ宦官がいて 彼はそこに留まることはなかった。 彼は永遠に孤独であった。 そういうお話。 霊戯は将軍・母・兵士(男)・女・詩人の 過去に生きる5人の霊のお話。 場所は多分シンガポールだと思うんだけど 登場人物はすべて日本人。 つまり太平洋戦争で死んだ日本人の霊のお話。 母は自分の家族すべてが死んだあと 自分の夫の亡骸を探しに行き そこに横たわるすべての骸骨の妻となって 毎日、骸骨を集めては感謝を込めて焼いた。 煙や火が敵に見つかるからやめろと言われても続け 最後に射殺された。 男は囲まれ敗走する中で地獄を見た。 死んだ者にも死にかけた者にも蛆虫がわき 蛆虫が肉を食らう音がざわめくほどの 死体と死にかけの体の山を聞こえない振りをして ただただ後退を続けた。 そして撃たれて死んだ。 女は男の恋人だった。 男が国のために兵隊になったことに感動し 自分は看護婦として戦地に行った。 戦地で強姦されたが軍は士気の低下を嫌い不問にし さらに女を説得し納得させた。 そして女は従軍慰安婦として働かされ ただただ消耗させられていった。 将軍はこの島の占領を指揮した人だった。 その栄誉を胸に生きてきた。 国のために死ぬことが素晴らしいと信じていた。 詩人は従軍記者でもあった。 しかし、士気を高めるための 嘘の記事・嘘の詩を書かされることが嫌になり 逃亡したのだった。 そして詩人は自分の目で見たことを将軍に問う。 勝てない戦いだったのは明白だったのではないのか? そして他の者たちも気付く。 自分の死が将軍のせいであったことに。 しかし将軍は言う。 戦争とは犠牲だ。死だ。 と。 そして国家総動員の中 みなが同じ目的に向かったはずだと。 結局、5人の帰るべき場所は見つからない。 そういうお話。 ざっと書きましたけど どの話も深く読める話で こんなあらすじなんかじゃ伝わらないような それでいて子供にも伝えられそうな よくできたお話です。 戯曲なので自分で場面や人物を想像しながら読むと かなり楽しめます。 霊戯なんて日本人こそ読むべきだと思うし きな臭い今の情勢だからこそ 分かっておかなきゃいけないことだと思うのです。

Posted by ブクログ

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