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ピカレスク 太宰治伝
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ピカレスク 太宰治伝

猪瀬直樹(著者)

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ピカレスク 太宰治伝

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館/
発売年月日 2000/11/06
JAN 9784093941662

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商品レビュー

4.2

8件のお客様レビュー

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2024/05/27

猪瀬直樹は、太宰治を「ピカレスク」と位置付けてみせる。 しかし、そこには「ピカレスク」という言葉の持つ、「ピクチャレスク」を思わせる「美学」は存在しない。 あるのは、偏執狂的に繰り返される「自己美化」のパフォーマンスだ。 全く嫌な男だ。 中原中也が太宰を嫌ったのは、有名だ。 二人...

猪瀬直樹は、太宰治を「ピカレスク」と位置付けてみせる。 しかし、そこには「ピカレスク」という言葉の持つ、「ピクチャレスク」を思わせる「美学」は存在しない。 あるのは、偏執狂的に繰り返される「自己美化」のパフォーマンスだ。 全く嫌な男だ。 中原中也が太宰を嫌ったのは、有名だ。 二人はあまりに似ているからだ。 三島由紀夫が太宰を嫌ったのは、これまた有名だ。 実は二人は本質的に似ていたからではないか。 太宰は自殺(心中)をパフォーマンスとしてしようしていただけで、自殺願望は無かったと断ずる。 最初の自殺未遂がうまくいったために繰り返したのだ。(女性は死に、自分だけが悲劇の男として生き残った) 玉川上水の自殺は、土手の上で睡眠薬を呑むだけのパフォーマンスのつもりが、心中(未遂)相手の山崎富枝に無理矢理多摩川上水に連れ込まれたと、猪瀬は考える。 睡眠薬を飲んだ皿の置いてある場所から、上水迄の土手はゲタの後がやけにシッカリとついていた。 これは太宰が入水することに抵抗した跡だと猪瀬は見る。 茶番としての自殺未遂の積もりがほんとうに自殺になってしまった非喜劇。 あまりにも太宰的だ。 太宰と山﨑が滞在し、太宰が執筆していた旅館の娘は太宰に映画に連れて行ってもらい、まったく自殺の気配はなかったと語る。 特に、宿を引き払うときに、又来るね、とにこやかに手を出して振って去って行ったことから、自殺を考えていたとは思ないと言う。 キリストのように死ぬのではなく、実は生きようとした太宰は、過去の女たちから復讐をされるように、玉川上水に引き込まれ、発見された時は苦悶の表情を示していた。 どんなに嫌な男でも、太宰の作品は輝いている。 生活に「美学」はなくとも、作り出した作品には確固たる「美学」が存在する。 大傑作「駆け込み訴え」など、ちゃぶ台でお猪口を傾けながら一気呵成に語られ、それを太宰夫人が口述筆記したものだという。 そして、一字一句修正を加えることはなかったという。 何たる天才。 太宰文学とは本質的に「口承文学」なのだ。 「語りの天才」は、したがって「騙りの天才」であり、 多くの女性を騙すのはお茶の子さいさいだったのだ。 全くお近づきになりたいとは思わない男だが、お近づきになる心配のない我々は、太宰の語りの「美学」を堪能することにしよう。

Posted by ブクログ

2020/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「井伏さんは悪人です」という太宰の捨て書きを起点に語られる評伝。太宰にとって世間そのものだったとされる井伏だが、その太宰の生き方が常に女性を食い物にして生き残ろうとする醜悪さに満ちている。 それより昔の作家がこれ程日常的に剽窃を行っていたのが衝撃的。

Posted by ブクログ

2014/04/26

作家太宰治の生涯を描いたノンフィクション作品。 膨大な参考文献を詳細に調べ上げ、人間くさい太宰治像を浮かび上がらせた。 井伏鱒二や当時の文士たちとの交友や、第1回芥川賞にまつわる記述など興味深い。 玉川上水での入水自殺にいたるまでのエピソードは、緊張感があってはらはらとした...

作家太宰治の生涯を描いたノンフィクション作品。 膨大な参考文献を詳細に調べ上げ、人間くさい太宰治像を浮かび上がらせた。 井伏鱒二や当時の文士たちとの交友や、第1回芥川賞にまつわる記述など興味深い。 玉川上水での入水自殺にいたるまでのエピソードは、緊張感があってはらはらとした。 日常に埋没するのを恐れ、「日常と非日常(自殺)のあわいを生きる快楽、自虐の快楽を知った。」という猪瀬氏の考察が言い得て妙だなあと思った。 太宰の作品を引用しながら実生活を描く手法も面白い。これ一冊読んだらちょっとした太宰マニアになれるかも。

Posted by ブクログ

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