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宮大工千年の知恵 語りつぎたい、日本の心と技と美しさ
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宮大工千年の知恵 語りつぎたい、日本の心と技と美しさ

松浦昭次(著者)

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宮大工千年の知恵 語りつぎたい、日本の心と技と美しさ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 祥伝社/
発売年月日 2000/08/10
JAN 9784396611095

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商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2022/09/04

2022年9月4日 耳慣れない、初めて見る固有名詞がたくさん。 神社仏閣の名前も梁やはしら、大工道具の名前も知らないものばかりだった。 中世の建物の良さがわかった。 旅先での見る目が変わるかもしれない。 文化財保護の財政、技術を絶対守っていかなくてはいけない。

Posted by ブクログ

2013/11/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

風合いを生かし、風土を守る。だからと言っておろそかなものではあってはならない。古来の伝統を受け継ぎ守り抜く、宮大工の志が書かれた著作で、年末年始の神社仏閣にお参りに行く折に一読されたい書。 日本古来の建物は「周りの環境・背景などと調和を計りながら建てられていた」のだそうです。  つまり杓子定規的建築法ではなく、微妙に柱の配置をズラしてみたり、後ろの山々の背景にマッチするよう「後ろの山々の形がああだから、この建物の柱もチョット位置を変えよう・・・」と、建物を風景の一部として造っていた。仏閣でも中国のそれと日本のそれとでは全く趣が異なる。例えば屋根の「軒反り」。中国のそれは何処もかしこも同じ傾斜だが、日本のは風景に合わせ、また時代によって異なるのだそうだ。画一的な造りではなく、その場にあった工夫が施されているらしい。いかに「美しく見せるか。それも廻りの背景などと合わせて・・・」と。とかく日本の伝統的な建築物はそれのみでなく、周りとの調和を計った設計になっているのだそうだ。つまり「絵になる建物」ということ。あと、柱の組み方にも長年積み上げられた工夫があり、いかに日本の建築物が風土に即した、自然と調和した実用的なものかが丁寧に記されてある。その長年蓄積された叡智を知れば、日本建築の凄さが分かります。「古きを訪ね、新しきを知る・・・」これから自然を大切にしようという人には色んな面で役に立つ本ではないだろうか。

Posted by ブクログ

2010/06/13

 千年を経た檜が弾力を失わず、かんなをかけると檜の香が薫る。最高の技術をもって造られた日本の木造建築物は驚くほどの寿命を持つようです。この本は、宮大工の棟梁松浦昭次さんが、日本の木造建築物の美しさとそこに秘められている高度な技の紹介、それに大工技術の低下や行政・識者の理解不足(勉...

 千年を経た檜が弾力を失わず、かんなをかけると檜の香が薫る。最高の技術をもって造られた日本の木造建築物は驚くほどの寿命を持つようです。この本は、宮大工の棟梁松浦昭次さんが、日本の木造建築物の美しさとそこに秘められている高度な技の紹介、それに大工技術の低下や行政・識者の理解不足(勉強不足)を憂う内容です。  実は・・・ この後文章をどのように続けようか一寸迷っていました。そうしたところ11月5日の東京新聞日曜版に国宝や文化財の特集があり、その中に文化庁と記者のQ&Aがありました。それを読んで方針決定です。本と関連する箇所を引用します。 ****東京新聞 2000年11月5日 日曜版***** 近代の国宝も誕生間近?---文化庁Q&A 回答者 中村雅治さん(建造物課主任文化調査官)     森田 稔さん(美術工芸家文化財調査官) Q)50年たって文化財保護法を運用する環境は変わったの? A)当初は文化財を守ることを中心に出発しましたが、現在では、文化財の公開・活用をどう振興していくかに重点が移ってきています。私たちも文化財をより親しみやすくするために努力しています。 ******引用終わり********  この文化庁の見解をどう読むか、素直に読めば「現在では文化財の保存はほぼ達成され、今はそれら文化財をどのように公開・活用するかにを主に考えている」となる。  しかし、私は「限られた予算の中で文化財の保存にかけられるお金は潤沢には無い。そこでこの分野でも受益者負担を考えている。文化財を積極的に公開し、そこで得られるお金で文化財の保存を行う方向で施策を進めている」と読む。  たしかに松浦さんも本の中で、戦後から今日までで中世建築の修復はあらかた終わっており、次の大がかりな修理の時期は百年か二百年後になる と書かれています。  では安心かというと、そうでもない。松浦さんは人・技術・材料等 色々な視点から現状を憂いています。その中でお金の点について書かれた部分を引用します。 ********引用始まり**********  文化財を守っていくためには、とにかくお金がかかるんです。何もかも国が出してくれるというわけじゃない。国から出るのはいくら多くても八割までで、あとの二割は地元の負担です。  小さな町や村にとってはこれが馬鹿にならない。観光地にあってお客さんがたくさん来るようなところなら、社寺のほうにも余裕があるから、半分ぐらいまで社寺で負担したりしますが、そういうのはほんとうに少なくて、観光客が少ないところは厳しいようです。  たとえば、尾道の浄土寺では八割が国の負担、一割が県、残りの一割の半分を市、もう半分をお寺が負担しましたから、お寺の負担は5%ということになる。しかし、5%でも全部で10億円。20億円の工事となると大きいですよ。しかも、それだけ使っても利益があがるというわけじゃない。  いくら使っていくら儲かる、という計算では割り切れないのが文化財の保存です。そんなそろばん勘定とは別の考え方をしなかったら、そもそも文化財の保存なんて成り立たないんです。流行(はやり)の自己責任とか受益者負担で文化財保存をやられたらたまったものではないです。そんな考えでいたら、日本の文化財はたちまちなくなってしまうと思います。 ******引用終わり********  日本の国土をコンクリートで覆う事業は、必要があると採算度外視で行うが、文化財の保存は儲からないと手を付けたがらない。いまにばち当たるぞ!

Posted by ブクログ

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